2020.01.10 林会長のお便り

 

二三江先生

 

 

 

 正月を迎えたと思ったらもう10日です。何と時の流れの早いことか・・・・。昨年330日に行われた、ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアの報告会をもって“ハロアル2019”の活動は全て終わりました。それから“ハロアル2020”に参加してくれる高校生の募集が始まり72名の高校生の参加が決定しました。昨年10月から始まった事前研修も予定通りに進み、27日の出発に向けて滑走路に向かっています。

 

 出発を2ヵ月後に控えた今年の11日、ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアに特段の配慮をし、報告会では常に舞台の左側に大きな花束を提供し続けてくれた佐藤二三江先生が永眠されました。佐藤先生は、日本歯科衛生士会の副会長をされたり、現在、関口団長と祐介先生が講師をしている太陽歯科衛生士専門学校にも橋渡しをしてくれました。直接スラムに行くことはありませんでしたが、こうして親身な支援をハローアルソン発足から15年に渡ってしてくれました。また日本歯科新聞にも当会の活動の発表の機会を何回にも渡って支援してくれ、本会のPR活動や社会に公表する場を提供してくれました。しかし病魔は先生の体を蝕み永久(とわ)の別れになってしまいました。あちらの世界でも、きっと周りの人達の幸せのために活躍してくれていると思います。先生の安らかな休息と平穏な日々が続くことをお祈りし、私達ハローアルソンの活動の守り神になってくれることをお祈りします。

 

 ハローアルソン・フィリピン医療ボランティア2020の出発まで1ヶ月を切りました。この活動は、こうして沢山の人達に支えられここまで来れました。これからも常に、謙虚に、コツコツと努力を重ねていこうと思っているところです。今回は事前研修に来ていた高校生に、私が声かけをしているのを聞いた患者さんが取った行動について書いておきます。この患者さんは20年来の患者さんで、いつ来ても感謝の言葉より苦情というか責めることばかりで出来れば触れたくないタイプです。リスナーの皆様にとってもそういう人は一人や二人いると思います。高校生に他の人から声をかけられたら、大きな声で「ハイ」と言うこと。自分では言ったつもりでも相手に「小さい」と言われたら素直に「すみません」そして大きな声で「ハイ」と答えること。これは怒られているのではなく「そうした方がいいよという激励の言葉なんだからね」と言うと、その患者さんも「本当にそうよ。こういう大切なことを学校では教えてくれないからね。頑張ってね」と声をかけてくれました。自分の意思を伝えるとき、言葉の持つ意味は2030%と言われています。声の大きさ、強さ、口調や表情、態度でいくらでも表現できます。それでも本当に大切なことは言葉にかないません。ですから、他の人が聞いて気持ちよく「ハイ」と言う言葉はとっても大切なんだよと言うことを説明しています。治療が終わった後でその患者さんが思いもよらない行動をとりました。今まで積極的にこの活動に応援してくれていなかったのに、「高校生カンパです」と5,000円出してくれました。嬉しいお年玉でした。

 

2020110