2020.01.24 関口団長のお便り

 

祐介先生、牟田さん、こんばんは

 

 

 

 さあ、祐介、いよいよ今年のハロアルボランティア現地活動まで約2週間となりました!!

 

 先ほど、現地チーム マニラ・ラハ・ソライマン ロータリークラブから、私たちハロアルチームのために現地の歯科治療で使用する「滅菌機」を新たに手配したとの報告を受けました。これでさらにスラムの人たちへの治療が良いものになり、また、「できるだけ日本と同じ治療を」という治療目標に近づくことができました。

 

 15年前、私は初めて行ったフィリピンの孤島で愕然としました。それは貧困という現実はもちろんのこと、日本では治せる歯を次々と抜かなければいけない環境と、それを理由にしなければいけない歯科医師としての自分の力のなさ、そして、それでも私に「先生、ありがとう」「先生、私は将来先生のような歯医者になりたい」と、血の付いたガーゼを噛み、目を潤ませながら語ってくれた少女に、私はいつかこの活動を日本と同じように彼らに歯の大切さを伝え、彼らの歯を守る仲間を夢見て、今まで頑張ってきました。そんな中、会長である林先生が私を団長に任命してくださり、現地のリーダーリッキー氏と引き合わせ、彼もまた私と同時期にクラブのリーダーとなり、13年、ともに歩んでまいりました。私は今日、彼からこの滅菌機の写真が送られてきたとき、一応の確認のために、これは寄付という形かどうか尋ねました。

 

 すると彼は「セキ、何を言っているんだ。私たちはパートナーだろ。私たちロータリークラブの最重要ミッションはハロアルと共にある。」「これはハロアル専用の機械だよ」と返事をもらいました。私は彼に「あなたとの友情とあなたたちチームの信念に心から感謝をします。」と答えました。祐介先生、本当にありがたい限りですね。

 

 私は以前、彼に尋ねたことがあります。「あなたはこの国の貧困を救うには何が必要だと思いますか?」彼は数秒考え静かに言いました。「セキ、それは教育です。」

 

 私はその答えを聞き、いつか彼と共に首都マニラのように様々な行政の支援を受けることができるエリアではなく、鉛筆もノートも持つことができず、学校さえも通うことができない子供たちに文房具を届ける活動をしたいと思い続けていました。そして3年前ようやくそれが形となりハロアル特別版、H&R peace project を立ち上げました。私たちは言葉も文化も歴史も違います。環境や宗教、顔や肌の色さえ、国が変われば様々なものが異なります。しかし、私たち人間がたった一つだけ共通するものがあります。それはどんなに憎しみあい、(ののし)りあったとしても、同じ地球に住み、同じ星で命を全うすることです。ボランティアは沢山のことを教えてくれますね。平和というのは実は簡単なことなのではないでしょうか。お互いがたった一人でも誰かを支えあえば、

 

必ず世界中が支えあえるのに・・・。残り2週間、しっかり準備をしていきたいと思います。

 

2020124日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人