2020.02.07 林会長のお便り

 

フィリピンから

 

 

 

祐介先生がスタジオにいなくて寂しいと思いますが、いつも通りシビアな意見を言ってください。キョーヤさんとシンギさん、祐介先生のピンチヒッターご苦労様です。

 

今回のハロアル2020の活動は15年間に経験したことのない、大変な状況の中での活動になりました。マニラから南西にあるタール火山の噴火に加え、新型コロナウィルスの発生。これが一度に訪れたのですから慎重にならざるを得ません。

 

 今迄もサーズの流行、デング熱、イラク戦争とタリバンの活動、2011年に起こった東日本大震災。どれもこれも心を痛める出来事でした。メンバーが集まってくれることさえ危ぶまれる中で、沢山の皆様のお蔭で感動の中に終了することが出来ました。こういう大変な中でも、フィリピンのスラムに生きる人達は誰かの支援がなければ生きていくことが出来ない人たちばかりです。中には一日一食どころか、二日に一食。もっと気の毒な人は三日に一食。しかもお腹いっぱい食べられるわけではなく、ほんの一握りのご飯を水に浸して、ご飯を水ぶくれにして食べるだけです。だからスラムの人達は全員が栄養不足でギスギスです。この人たちを目の前にすると、チョット太り気味の我が身を申し訳なく思います。数年前のことでした。「ラーメン屋」の窓から店内の明かりが漏れていました。その窓の外、つまり道路側からスラムの人達が中をのぞいていました。このスラムの人達は何時間経ってもラーメンを食べられる訳ではありません。それでは何故窓から店内をのぞいているのかというと、ラーメンを食べるお客さんの食べるところを見て、ラーメンの味を想像しているのです。「うまいだろうな~」と声が聞こえてくるのではないかと思うような光景です。今の日本人の中に、いやこのハロアルレディオを聞いてくれている皆さんの中にこんな人がいるでしょうか・・・・。こういう状況を目にした高校生が自分の生活を幸せだと感じてもおかしくありません。

 

 人間の欲望は止まることがありません。例えばおいしいお寿司を食べたとします。すぐに他の店のお寿司を食べようと思わなくても、おいしいラーメンが食べたいと思うことはよくあります。おいしいお寿司を食べたのだから、そんなこと不謹慎だと言われるかもしれませんが人間の欲望とはそういうものです。

 

 こんなこともよくあります。お腹いっぱい食事をしても、美味しそうなケーキが出るとケーキは別腹とばかりペロリ食してしまいます。尽きない欲望だらけの私達なのに食べたくても食べられないスラムの人達。何と不公平で不平等なのでしょうか。こんな現実に触れた高校生の目には、清らかな涙が滲み出ます。何とこの世は不条理なのか・・・・。なんて私達は無力なのかと・・・・。恵まれた私達だから出来るボランティアで世の中の不条理にめぐり合うと、恵まれない人達のために心から尽くしたくなるのです。

 帰国後の高校生達の報告会は328日(土)軽井沢のすぐ隣、御代田町の“エコールみよた”で、そして日曜日は坂城町の“さかきテクノセンター”でそれぞれ1時から開演です。一人でも多くの皆さんに聞きに来て欲しいです。        

202026