2020.02.14 林会長のお便り

 

JALの機内

 

 

 

 新型コロナウィルス肺炎の猛威恐ろしいですね。フィリピンと比べると日本の対応に問題があるのではないでしょうか。もっと徹底した対応が必要に思われます。

 

 第15回ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアは、沢山の皆様のご協力と参加者の固い結束の下で行うことが出来ました。常に大きな声で、高校生を励ましてくれるシンギさんが行けなかったこと、成田空港で体調不良のため出発できなかった加藤正雄先生を除いて139名が、元気よく成田空港に集結してくれた様は見事でした。カウンターの片隅で行った結団式で「思いやり=喜んでもらえること」を確認して出発。マニラ空港に着くとすぐに、10kg入りの物資の包み125個と各々のトランクをバスに積み込み物資支援の会場に向かいました。ホテルの近くのスラムの住人に現地ロータリークラブで用意してくれた、お米・タオル・石鹸・歯ブラシの入った小包を一人一人に手渡して喜んでもらえました。初めての海外で行う医療ボランティアで不安気な高校生の顔にも笑顔が浮かんできて、とても良かったと思います。

 

 2日目、3日目は医療ボランティアで恵まれている自分達との違いを嫌と言うほど味わったと思います。人生でたった一回しか受けられない歯科治療を心待ちにしていた沢山のスラムの人との触れ合い。痛いはずの抜歯(歯を抜く)の際にも声を立てず、じっと我慢しているスラムの子供たちを見ると高校生の目にも熱いものが流れていました。毎夜行われた高校生達のマニラミーティングでは、自分達の夢を語り、その日目にしたスラムの人達を通して、生まれた場所が違うだけで医療一つとっても不公平で不平等に、思わず目を背けたくなってしまったこと。この世に自分の力だけでは、どうにもならない不条理があることを知り悲しみに満ちた顔になっていました。世界からこのような貧困を無くすために国際協力できる人になりたいという意見も沢山聞かれました。

 

最終日に人生で初めてお米やタオル、歯ブラシ、石鹸を支援してもらったという、おとぎ話に出てくるようなスラムの人達に物資を手渡す高校生達は、3日前に成田空港で見せた顔と違って自信に満ちていました。

 

 帰りのJALの機内で「この飛行機にはハローアルソン・フィリピン医療ボランティアに参加した高校生70名が搭乗しています。今回の経験を生かして、これからの人生に役立て成長されることを望みます」というアナウンスがあり、アナウンスが終わるや否や、機内には大きな拍手が湧きあがりました。15回を数えるボランティアで、こうしたアナウンスは初めてで、聞いている私の目には熱いものが湧き上がってしまいました。出発に際しては火山の噴火、新型コロナウィルス肺炎と、とても大変な状況の中でしたが、いつもより強い結束でまとまって感動的で思い出の多い活動が出来たと思います。これも一重に、関口団長、祐介現地統括責任者を中心に役員の皆様の強い信念と、たゆまざる努力の結晶と深く感謝をさせてもらいます。

 

2020214