2020.05.29 関口団長のお便り

 

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

 

 

先週は久しぶりのシンギさんの出演、楽しく聞かせていただきました。

 

今年2月に行われたハローアルソン・フィリピン医療ボランティア現地活動では10年間続けて参加をされたシンギさんがお仕事の都合でどうしても参加が来ませんでした。しかし彼はその無念さの中、私たちの安全と活躍を後押しするかのように早朝成田空港まで見送りに来てくださいましたね。そしてその思いは今年新しく班長になった茨城の山川さん、埼玉の星さんに引き継がれ、今年も素晴らしい活動になりました。

 

来年は京都の山奥でふらふらしてないで、一緒に活動できるといいですね。

 

さて、祐介先生。先週の放送で私は「芸能人の政治的発言」をお話ししましたが、SNSだけではなく、誰もが様々な意見を言えるという事は民主主義の最も大切な根幹です。しかし、それは発言の全てが自由を意味しているのではありません。そんな中、また一人、心無い「匿名の誹謗中傷」によって未来ある若い命が犠牲になりました。

 

いったいこの国はどうなってしまったのでしょうか。

 

私はこのような世界に全く疎い(うとい)ため、世に出回っている無秩序な言葉の存在すら興味はありませんが、私や祐介先生のような性格の方だけではなく、たった一つの言葉に本当に悩み、苦しんでいる人はたくさんいると思います。

 

今、国会でも事態を重く受け止めたのか、法規制を検討しているようですが、いったい何人の人間が死ななければこの国は変わることができないのでしょうか。

 

しかし、私は単なる法整備だけではこの問題は解決できないと思っています。

 

この問題の根源は「心」です。いかにこのような行為が卑劣で危険なことかを理解できないのです。今、私達はあらゆる情報を簡単に得ることができる反面、それを、さも、

 

無かったかのように消去し続けながら、言葉と情報の渦の中で生きています。そしてその渦に巻き込まれ、心無い言葉に多くの人間が傷ついているとにさえ気づかずにいます。

 

私はSNSがいかに便利でもあり、いかに恐ろしいものになるかを子供たちに話ました。

 

私はもしこのようなことが起きたら、「そんなもの見るな」と言うよりも「一緒に解決策を考えてあげるから決して一人で抱え込むな」と話しました。そして、まずは絶対に自分がこのような卑劣な行為をしてはならないこと、言葉は時として刃物よりも相手の心を深く傷つけることを話ました。また、もし身近にこのようなことで悩み苦しんでいる友達がいたら必ず手を差しのべ、優しく支えてあげなさいと話しました。

 

そして私は子供たちの前でこの「優しい」という漢字の意味を教えました。

 

この文字は人偏に「憂う」と書きます。「憂う」とは悲しみや苦しみを意味し、そこに人が寄りそうことこそが「優しさ」の意味です。

 

これは時代が作った問題ではありません。これは法律で正す問題ではありません。

 

私たちの「優しさ」の問題です。皆さん、こんな世の中は本当に悲しすぎます。

 

これからコロナと共存しなければ、という時代に最も必要なのは「優しさ」だということを決して忘れてはいけませんね・・・。

 

2020529日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人