祐介先生、牟田さんこんばんは
世の中は「コロナ」一色。そして毎日様々な事件や話題によって今日起きた出来事が明日にはすでに過去となり、人々の記憶から押しやられるかの様に忘れられてしまいます。
先週はハロアル会長林先生から楽しい歯のお話とハロアルのこれからをお聞きすることができましたが、今週の私からのお手紙ではどうしてこの話題を取り上げてもらうことをお許しください。
2020年6月5日、拉致被害者家族会初代代表、そして横田めぐみさんのお父様である横田滋さんがお亡くなりになりました。享年87歳。このニュースは当日新聞でもテレビでも報道され恐らく日本中の沢山の人たちが耳にしたことでしょう。祐介先生、本当に無念だったでしょうね。わが子が突然いなくなり、それが国家テロともいえる「拉致」という事実を知り、そして相手国も判明している中、何も手立てができず、一部を除き、何か手立てをしようとする行動すら見せない多くの政治家を長年見続け、時には世論、時には他国の大統領にまですがらなければならなくても、いつかきっと帰ってくると信じ続けながら願い叶うことなく旅立たれたかと思うと本当に胸が痛みます。
私はこの問題に関してあまりにも他人事で時の政治利用にしてきた政治家たちの無能さと報道の在り方に心からの憤りを感じます。
先日ある若いお笑い芸人がこの問題に触れこう言っていました。「1巻~10巻を見ていなかったのでずっと30巻以降の話をされている感覚。」「だからと言って今更聞けない、学校でも教えてくれない。」そして彼はこの問題の経緯を知り、「やっとこれでどういうことが起きているのかを理解した。」と語りました。私はこのコメントを聞き、正直、「なるほど」と思いました。つまり、すでにこの国において特に若い世代にとってはすでに内容の分からない30巻以上の話であり、振り返えろうとしない1巻の過去になっているのです。これは本当に悲しく危険なことです。
私は何度もこのお手紙にも書かせていただいておりますが、私はぜひ、歴代の総理大臣経験者の大先生方にお願いしたい。「日本国歴代総理による拉致被害者を救う党」を結成していただいて世界中にこの現状を訴え、直接北朝鮮に救出に出向くぐらいのことをやってはどうだろうか。目立った仕事もせず、順番で総理になった人も、宇宙人的発言で国中を混乱させた人も、この問題を解決することだけは一致できるはずです。なぜなら、時のすべての政権のマニフェストには「拉致問題を解決する」という文言だけ共通して入れていたではないか。残された奥様、早紀江さんにはどうかお体にお気を付けていただきたいと思います。そしてどうかマスコミも芸人の不倫問題を何日も垂れ流すなら、もっとこの問題を大きく取り上げていただきたい。
祐介先生、私たちも決してこの問題を過去にしてはいけませんね。滋さんは安らかにはお眠りになれないでしょうね。おそらく天国からでも最愛の娘さんを探されているかと思うと本当に無念でなりません。
2020年6月19日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人