2020.08.28 林会長のお便り

 

 祐介先生・牟田さんこんばんは。

 

 熱帯のような暑い日がだんだん少なくなり始め、こちら信州では朝夕は秋風が感じられるようになりました。リスナーの皆様もお変わりなくお過ごしのことでしょう。何よりです。こんな言い方をすると「素っ気ない」と思われるかもしれませんね。「こんなに色々なことが起こっている世の中で、健康で無事いられるなんてなんと素晴らしいことでしょう」ということです。

 

 今週は少し悲しい報告をしたいと思います。リスナーの皆様もよく知っている「歯は命の源」という小冊子(現在までに3,000冊は優に超えてると思います)これを作る際に大変お世話になった西野入(まさ)(のり)様が、この世のすべてを成し遂げ永眠されてしまいました。本当に悲しいです。人の命のはかなさを痛切に感じています。人間が生まれてくるのは1億円の宝くじを100万回連続で当てるより難しい確率だといいます。そんなに難しい確率の中で生まれたとしても、そしてどんなに頑張ってみても100年でその命の炎を燃やし尽くしてしまいます。それどころか100年は生きられない人のほうが圧倒的に多いのです。どうでしょうか。今、この世に生きている人は全てこんなに大切な一瞬一瞬を生きているのですから、仲良くどんなことも感謝して素晴らしい人生にしてほしいと思います。

 

 話を戻します。西野入さんは生前と言っても2007年(平成19年)、西野入さんが区長をされている時、公民館の記念公演に私を呼んでくれました。今日と同じように日差しの強い一日でした。その時、ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアの話をさせてもらいました。とっても喜んでくれ、その後で歯の健康についてJA長野の機関紙に文章を書いて欲しいと言われました。

 

この年は私達がやっている「コンフォートブリッジ」が誕生した年でもあります。基本的にはドイツのケルバー博士が考案した装置ですが、私達のとは大きな違いがあります。それは歯の無い所の治療にあたって健全な歯を土台にして作るのに対して、コンフォートブリッジは健康でなくても積極的に組み入れることによって不安定な歯の保存が可能になる点にあります。つまり患者さんにとっては不安なく使え、セルフケがしやすいので、その後悪くしなくなります。術者にとっても管理がしやすく、問題が出ても簡単に治すことが出来、どちらにとってもいい治療だと言えます。これがコンフォート(快適)ということです。

 

それでは歯の一口メモです。

 

歯が悪くなる最大の原因は歯のお手入れが悪い、つまりハミガキが下手だということになります。それ以外の原因はほとんどありません。歯と歯肉をしっかり磨いて健康を保ちましょう。

 

2020828

 

医学博士・歯科医師 林 春二