祐介先生・牟田さんこんばんは。
ここ数日、11月とは思えないような好天気に恵まれ、屋外の仕事にも精が出ます。毎朝、庭の芝生の上の落ち葉を掃くのですが、夕方には全く何もしなかったかのように落ち葉に覆われています。風の強い日など、雪が降っているかと思うほど落ち葉が降り注いでとても魅惑的です。この風情も、もう少しで終わり、今度は真っ白な雪に見舞われるでしょう。世界中がコロナのパンデミックに右往左往させられていることがまるで別世界のことのようです。
少し前に「ソ―シャルディスタンスを2メートルはとりましょう」と言っている時でさえ、わが町では「優に1キロメートル」はありました。「密」を避けるようにと言われても、そんな危険な所はどこにもありません。菅総理が誕生した時の所信表明の第一はコロナ対策でした。コロナの第二波がようやく落ち着いてきた頃でしたが、秋から冬にかけて、インフルエンザとコロナのダブルパンチが来たら大変だと思っていましたので国民の多くは期待したと思います。ところが幕を開けてみると、「Go to ~」でにぎわいを見せはしましたが、その代わりに今までコロナの感染者が少なかった県でも多数の感染者が出て、第三波とおぼしき状況になってしまいました。この間、政府は「Go to ~」に夢中になって病院の整備をほとんどしていません。自治体の長や医師会の中から、「第三波に突入したと思う」という声が出て、「Go to ~」に少し歯止めをしたほうがいいのではないかという声が出ているのに、西村担当大臣からは「今まで以上に個人が注意するように」というだけで「Go to ~」を止めようとはしません。病院はこれ以上感染者が増えたら対応できない状況だと思います。まるで「春節の時に、外貨の獲得とばかりに中国人を受け入れた時と同じように経済中心の手法」です。政治家が医療界からの要望を聞かないのですから、入院を頼まれても、身の危険やスタッフの安全を押し切ってまで受け入れなければいいのです。時間は十分あったはずです。困らせてやったら少しは「気づく」のかもしれません。何ということを言うんだと怒られるかもしれませんが安心してください。医者は「個人的な感情を度外視して、患者さんのために精一杯尽くす」人達です。こうした医療関係者は、私達が「Go to ~」で浮かれているときでも、ひたすら第三波襲来に備えて医院の整備や「感染症対策」に時間を割いていたのです。そして日本医師会は、保健所機能の充実と病院整備について口が酸っぱくなるほど言っていました。なのに「梨の礫」です。
菅総理は「自助・共助・公助」そして「絆」と言いますが、どんなに注意しても病気やケガは起こります。その時の社会保障です。自助や自己責任中心の考え方には限界があるのです。公助がベースにあって、その上で個人で出来ることは頑張ってもらうことが大切なのです。このことをわかって欲しいです。
2020年11月20日
医学博士・歯科医師 林 春二