2020.12.18 林会長のお便り

 祐介先生・牟田さんこんばんは。

 コロナ、コロナで気分が暗くなってしまう一年でしたが、宇宙の小惑星「りゅうぐう」から、りゅうぐうの砂を持ってオーストラリアの砂獏にサンプルリターンしたニュースは、久しぶりに明るい気分にさせてくれました。本当に良かったと思います。

 ところで菅総理、ようやくGo to トラベルに歯止めをしてくれました。あの日「ニコニコ生放送」に出演して、にこやかに「ガースーです」と話した姿は安倍のマスク以来の馬鹿馬鹿しさでガースーらしかったです。我国の総理に入れ知恵する人が、こんな発想しかできない所が笑っちゃいますよね。

みんなに考えて欲しいので繰り返しておきますが、Go to が始まる前は25,000人だった感染者が、すでに7倍以上の190,000人になっています。実に7.6倍です。移動することでソーシャルディスタンスも取れないし、何か買い物するにしても、日常生活で我慢している人でも“旅は恥のかき捨て”とばかりについ気が緩み、普段我慢している分、余計に自由気ままな行動になってしまいがちになるでしょう。だからGo to が始まる前と後では7倍以上の差になっても全く不思議ではありません。それよりも分科会の専門委員の発言に、素直に耳を貸さなかった菅総理の感性に問題があります。それぞれの分野の専門家が集まっているのですから、その皆さんの意見は参考にすべきです。

 国民がこれだけ感染者が全国に広がって増えているのは、「やはりGo to に関係するのではないか」という声を上げているのに、「全く無視し、それどころか移動によってコロナは感染しないと分科会の先生方が言った」という自分に都合の良い所だけ主張していたやり方に問題があります。これはご都合主義の独裁者の手法です。

 だから「日本学術会議」の6人の委員の件にしても訳の分からないことを言い続けているのです。今回は6人を早く任命することしかありません。そういう法律なのです。次からは日本学術会議の在り方や委員の推薦方法を決めてください。どんなに素晴らしい法律を作ったとしても、今回は今までの法律が優先されるのが民主国家の基本です。それなのにどうしてもできないと言い張るのはやはり独裁者と言われても仕方ありません。

 現在の中国のやり方を見ていると、不安になることばかりだと言っても日本の安全保障は「一つだけ」ではないはずです。武力行使に賛成する人もいれば、反対の人もいておかしくありません。もし反対する人の考え方を抹殺して、賛成の意見に統一してしまったら「あの忌まわしい第二次世界大戦に突入した」時と全く同じです。過去の事実は「もし~だったら」結果は違っていたとしても、それは架空のこと実際は違います。敗戦が国民にどれだけ多くの被害をもたしたかは火を見るより明らかです。今の政権与党にしても、支援している国民の人数は半分もいません。むしろ野党を支持している人の方が多いのですから、謙虚になってその意見を素直に聞いて、国民にとって一番利益の多くなる選択をしてほしいと思います。

20201218

 

医学博士・歯科医師 林 春二