2021.01.01 林会長のお便り

 祐介先生・キョーヤさん・牟田さんこんばんは。

 明けましておめでとうございます。昨年はコロナ、コロナで大変な1年でした。今年はみんなで力を合わせていい年にしましょう。そして東京オリンピック・パラリンピックが無事に終わるように心を込めて一人一人が責任ある行動をとりましょう。「責任ある」と言うと抽象的でよく判らないかもしれませんが、私は「他人に喜んでもらえる言動(げんどう)をとる」ことだと思います。何人かが集まれば、ついごみを捨てがちです。そんな時、そのゴミを拾ってくれるような人と言ったらわかってもらえるかもしれません。うらやましいですが、デンマークの人々がこういう人です。

昨年の漢字一文字は「密」でした。よく聞かれたのは「コロナ自粛に疲れた」という言葉です。その気持ちを吹き払ったのが「GO TO」でした。コロナが完全に制圧されたわけでもないのに旅行に出たり食事会に行ったり、まるで感染症がなくなったかのような行動になってしまいました。経済を回すという意味では「GO TO」は良かったかもしれませんが、飲食、観光に関わる人が全てではありません。全ての人に関係するのは、「特別定額給付金」を再支給するか「消費税」減税ではなかったのではないでしょうか。特別定額給付金は、こういう不安定な時には蓄えに回して消費につながりにくいと言われています。しかし消費税は何を買っても10%引きになります。生活にゆとりが出来ると次の消費につながります。こうして徐々にではあっても国民全体から景気を上げるべきでした。ドン底を知っている人達ですから出来たはずです。しかしこれは政治家にとって“うま味”がありません。ところが「GO TO」は特定の事業者にとってだけでなく、政治家にとってとても「うま味」があります。何パーセント引きになり割安感を刺激されるかもしれませんが「GO TO」は税金の(さき)()いです。このツケはこれからみんなが支払うのです。しかも旅行や食事に行った分を、医療の現場の医師や看護師に「大変ですね。ご苦労様です」と口では言いながら、その時間さえとれない先生達に支払わせて旅行や食事に行くことになります。これで景気回復なんて考えられません。これでは自分勝手ということになってしまいます。今年の正月は、もう一度自分の緩んでしまったタガを締めなおし、誰から見ても素晴らしい人になるスタートにしましょう。

それではここで新年の歯の一口メモです。

人間の命を支えるために大切な器官は沢山あります。しかし生きる喜びを実感したり、苦しい時グッと力を入れるだけでなく、どんな小さな異物が食べ物に入っていても一瞬でわかる繊細な知覚を持っているのは「歯」です。昨年の暮れに歯周病になると、最も恐ろしい認知症になるメカニズムを九州大学で解明しました。死ぬほど痛い虫歯、恐ろしい認知症を予防するのは「歯」と「歯肉」を磨くハロアル磨きです。もう一度、原点に返ってしっかり自分で自分を鍛え直しましょう。

202111

 

医学博士・歯科医師 林 春二