2021.01.15 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さん、こんばんは

 

いよいよ「緊急事態宣言」が発令されました。当初、東京を含む1都3県でしたが現在11の都府県が対象となりました。

私の住む栃木県もその一つに含まれましたが、正直、年末年始の全国の感染者数の増加、特に東京や大阪などの大都市の人数を見ながら、自分たち地方を比較すれば、「それほどまでは・・」と思っていたところもありました。しかし、年明け急激に増加し、あっという間に栃木県内の医療がひっ迫し、危機的状況となった今、一つの気のゆるみが大きな感染拡大につながることを改めて感じています。

私の地元那須塩原市も昨晩からはほとんどの飲食店は夜8時で閉店し、車の数も激減しました。祐介先生、私は他府県のことはわかりませんが、自分の住んでいるこの栃木県の内情ならばはっきり断言できます。私の認知不足であってほしいものですが、

昨年の2月から「新型コロナウィルス感染」が拡大し始めてからこの1年間、私たちの県の行政は全くといってよいほど無策です。

田舎だから大丈夫と、高をくくっていたとしか思えません。

特に私の地元那須塩原市で、もし重症化が増加したら回復できる見込みはないでしょう。

なぜなら、そのような病院がどこで受け入れをし、どれくらいの病床があるか、住民たちへの説明がほとんどありません。そして、その権限も結局は地方市政にはなく、すべてが県政にお伺いをたてなければならない仕組みなので、全くスピード感がありません。

未曽有の世界的危機に大胆でかつ迅速で臨機応変的な政策は何一つないのです。

これは私見ですが、私の地元など、ここ数年廃校になってしまった小中学校や廃業となった旅館などがいくつかあります。そのような所は電気、冷暖房、下水道もすでに備わっているわけですから、そういうところを県が一時的にレンタルし、コロナ感染治療施設を集中的に臨時に準備しておくのはどうでしょうか。それがこの1年間取り組んできたのが、「日本一安全な観光地」のPRと「魅力度ランキングの異議申し立て」ですから、もはやこのような地方は冗談ではなく「死」さえも覚悟しなければなりません。

もちろん、日々過酷な現場で頑張っておられる方々や沢山の我慢を強いられている皆さんのご苦労はわかります。また、行政の方も頑張っておられるでしょう。しかし、あまりにもスピード感がなく、発信力と説得力、そして責任感のない連日の政府のやり取りに怒りを覚えるのは私だけでしょうか。

この数か月、いかに日本という国が「有事」の際に迅速に対応できないかを痛感したのではないでしょうか。私は最近、このコロナ禍の政治に批判ばかり感じてしまう自分がとても嫌ですが、少しでも自分だけではなく、患者さんや周囲の人たちのためにも、

まずは自粛生活と感染予防に努めるしかありません・・・。

 

2021115日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人