2021.01.29 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さん、こんばんは

 

「陳情」という言葉があります。

これを辞書で引くと「陳情とは:特に、中央や地方の公的機関、または政治家などに実情を訴えて、善処してくれるよう要請すること」とされています。

つまり、陳情を願う人は、友人や知り合いではなく、もう、直接政治にお願いをしなければどうにもならない危機的な状況下であるような内容だとも捉えられます。

 祐介先生、もしあなたがそのような陳情を行う立場だとして、その願いを聞いてくれる政治家が、どこかでのんびりイタリアンを食べ、一杯ひっかけてやって来たら、あなたはどうしますか?緊急事態宣言下において沢山の人たちが大変な思いをし、医療従事者たちは昼夜を問わず頑張っている時にこの国の政治家は何をやっているのでしょうか。そしてそれを国の代表たる「総理大臣」が今まさに待ったなしの状況の中、私たちの血税で運営される大切な国会で陳謝をする。そしてそれを追求する野党の議員も、あまりにも品格に欠け、たとえ相対(あいたい)する党とはいえ、人権を罵倒するかのような言いぐさと一国の指導者に対する最低限度の礼儀をわきまえず、人にペンを指しながら威圧的にあたかも国民の総意のように発言する映像を見て、情けなさと嫌悪感を感じるのは私だけでしょうか。

 祐介先生、なぜ日本は「一枚岩」になれないのでしょう。地球規模の国難に対して、

なぜもっと協力的で生産性のある考え方や行動がとれないのでしょう。

 前回、私は飲食店への協力金における問題点、いわゆる「コロナバブル」の話をしました。制度上不備があるのは確かです。特定の業種だけの支援や店舗によって恩恵の差が大きいのも事実です。しかし、飲食店だけではなく、商売はお客さんに囲まれ、自分たちが必要とされ、そして喜んでもらっていることこそが生きている「やりがい」なわけですから、このようにたとえ一部の人たちに差がでていたとしても、やはり、大変な思いをされていることには変わりはありません。だからこそ、政治がしっかりと方向性を示し、たとえ問題が起こったとしてもその責任を背負う気概を私たちに見せてくれなければ、こんな過酷な状況下でも東京オリンピック・パラリンピック開催に全てを掛けているアスリートたちを応援することなどできるのでしょうか。

 これからワクチン接種が始まります。医療関係者だけではなく、県、市町村単位で役所や行政の方々はもっとお忙しく、ご苦労も増えると思います。そして誰もが初めてで、しかも緊急を要する未曽有の国難なわけですから、当然不具合も多く発生するでしょう。

そんな時、私たちがやるべきこと何でしょうか。皆さん、こんな時だからこそ、心穏やかに、冷静に我慢をし、文句や罵声を浴びせるのではなく、協力しあい、認め合い、許し合いましょう。それこそがこの感染を抑える一番の近道だと思います・・・。

 

2021年1月29日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人