2021.02.12 林会長のお便り

 祐介先生・牟田さんこんばんは。

 今夜は「ハローアルソン・フィリピン医療ボランティア」団長の関口先生と一緒に出演させてもらえるのでとても楽しみにしています。関口先生、祐介先生と顔を合わせていると、心の中どころか身体中がポカポカして、まるで上質なダウンに包まれているみたいです。

 世界中をパンデミックに陥れたコロナウイルスのために、沢山の皆さんが苦しんでいるか考えると心が苦しくなります。皆さんが苦しんでいる中、しかも2回目の緊急事態宣言が発動されている中での出演に本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。私も医療人のはしくれ、感染予防には万全を払って出演させてもらっています。今夜は関口先生と一緒に、この苦しみを少しでも取り除けるように明るい希望のある話をしたいと思っています。

ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアは、フィリピンのスラム、世界でも最悪のスラムの一つに数えられている地区の「無料の歯科治療」をメインにやっています。一本の歯の大切さを訴えている私達が、治療したくても抜くことしか出来なかった現実に触れ、己の力の無さと飽食にあえいでいる日本の現実とのギャップを嫌と言うほど知らされました。そして「何かしなければ」という思いでハローアルソン・フィリピン医療ボランティアをスタートさせました。当時はわずか23名でしたが、年を重ねる度に大きな支援をもらえるようになり、15回目の昨年の活動は140名の参加に膨れ上がりました。ここでこの団体が大きくなれた4つの柱を紹介しておきます。第1に、フィリピンスラムに住む人達への無料の歯科治療。第2に、現地で使うハブラシ、タオル、石鹸を地域の人達に呼び掛けて協力してもらう。第3に、この活動を通して自分の中に眠っている、優しさや思いやりを思い起こしてもらう。最後の第4は、この会の大きな特徴になっている高校生にも参加してもらい、優しい思いやりのある国際的な日本人になってもらうというものです。世の中は少子化、過疎化で多くの組織が人材難や若い人達の協力が得られない中で、当会は毎年参加者が増え続け、この15年の間に参加してくれた高校生も500名を超しました。それよりももっと驚くことは、毎年1トン半もの歯ブラシ・タオル・石鹸をハローアルソンに送り続けてくれている方々がいてくれるということです。延べ人数にしたらものすごい数になると思います。関口団長や私の診療所だけでも1か月に1,000名以上の患者さんがいます。その患者さんの家族、知人合わせたら、その4倍や5倍ではききません。さらに参加してくれた高校生のクラスメイトや知人を合わせると、4倍や5倍はいるはずです。それに今夜も聞いてくれているリスナーの皆様のご支援を考えれば、優に1万人以上の皆様が来る年も来る年も、協力してくれるからハローアルソン・フィリピン医療を支える会は大きくなれるのだと思います。私達の合言葉は「大きな声で明るくハイ」です。みんなが集まると、いつも楽しく笑顔が溢れているから人々が集まってくれるのだと思います。

2021212

 

医学博士・歯科医師 林 春二