2021.02.26 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

祐介先生、栃木が大変なことになっています。

栃木県足利(あしかが)市の山林で起きた火災は発生から5日たった今でも延焼(えんしょう)が続いており、市内270世帯に避難勧告が出されました。

現在は地上からの放水活動とともに、自衛隊のヘリコプターも加わり消火活動が続いておりますが、未だ消火の目途は立っていません。

足利市は私の地元那須から車で1時間半ほどの距離にあり、最近では足利フラワーパークが有名になりましたが、日本最古の学校として足利学校などがある、歴史的にも大変古い町でもあります。原因はまだわかっていませんがハイキングルートのタバコや焚火(たきび)などとも言われていますね。どうか、いち早い鎮火(ちんか)を祈るばかりです。

さて、これから3月に入ると卒業シーズンとなりますね。

先日、2020年のハロアルフィリピンボランティアに参加をしてくれた栃木県立黒磯南高校の女子生徒2名が、今後の進路の報告に私の医院にやってきてくれました。

一人は看護学校に進学し、もう一人は東京の語学学校に進み、英語とスペイン語を専攻するそうです。久しぶりに元気な笑顔で医院にやってきてくれましたが、初めて彼女たちが現地活動に行きたい、と応募してくれた時と比べ、数倍にも大人の表情となり、しっかりと自分の夢を語ってくれる様は、本当に頼もしく見えました。

私は彼女たちの旅立ちに際し最後のエールを送りました。

「今、世界中でコロナ禍のために苦しんでいる人がいる。あなた達も沢山の変化を学校生活で余儀なくされた。しかし、一緒に行ったフィリピンのスラムでは今もなお、私たちの活動を心から待っている人がいる。そのことを決して忘れず、これから先、夢に向かって努力ができる環境に感謝しながら、たった1本の歯ブラシさえも困窮する人たちがいる現実に対して自分がどのように生きなければならないのかをしっかり考えなさい。」「そして、自分だけではなく、人の為に尽くせる大人になってください。」

彼女たちは真剣な眼差しで私の話を聞いてくれています。そして二人ともいつか大人になってもう一度ハロアルの活動に参加をしたいと語ってくれました。

祐介先生。16年前、ハロアル会長の林先生が高校生の現地参加に際し、「種まき」とおっしゃっていたのを覚えていますか?こうして一人、また一人とハロアルを経験し、社会へと巣立っていく高校生たちを見ていると、私たち大人の行動や言葉一つでこの種がまっすぐ大きく育つかどうかにかかってくるのだとつくづく感じます。

来週の32日には群馬県新島学園高校にボランティア講演に林先生と祐介先生と一緒に参加をします。これからの未来を担う高校生たちに私たちの活動をお話しできるのは本当にありがたいですね。私もしっかり準備をして頑張っていこうと思います。

 

2021226日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人