2021.03.19 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

先週の311日で東日本大震災から10年を迎えてから1週間が過ぎましたが、「風化をさせない」と連日報道されていた震災関連の報道もたった1週間でほとんど見なくなりました。先週このラジオで祐介先生が「人間は忘れたい事、忘れてはいけない事、忘れられない事、そして忘れてしまう事」の話をしていました。人間は良くも悪くも「忘れることができる生き物」だということ。私も同感です。人それぞれ心の中に色々な思いがあります。被災地の方が思う10年間は、私たちには計り知れない痛みでしょう。

私たちにできること。それは忘れたいと願う人、忘れられないと苦しむ人の痛みを、私たちが決して忘れず、いつまでも寄り添う気持ちでいることのように思います。

さて、現在ハロアルフィリピンボランティアは2月の現地活動がコロナ禍のため延期となり、各支部とも今、日本でできることを頑張っています。

そんな中、以前、会長林先生、祐介先生とボランティア講演に訪れた群馬県新島学園高校の青木真依先生から、私の医院に1万円の募金が届きました。

先生は私たちの講演を聞いて下さっていたようで、その中で私がボランティアはリンゴとみかんのようなもの。「富める者が貧する者へ」ではなく、私たちとフィリピンのスラムの方々の思いを分け合い共存することと言った言葉についてもう少し深く理解したいと、後日メールを下さり、そこから先生自身が今できることを考えられ、募金を送って下さりました。私は何度か先生とメールでやり取りをする中で、子育てとお仕事を両立させながら、生徒たちに「本当の豊かな心とは何かを伝えたい」という先生の熱い思いを知り、深く感謝すると共に、まさに「貧者の一灯」のように心のこもった募金は、コロナ禍で現地活動が延期となった私たちにハロアルにとって、とても大きな支えとなりました。

祐介先生、今、フィリピンの首都マニラやその周辺の都市部では朝10時から夕方まで再びロックダウンが始まり、外国人の入国は1か月間禁止されました。ワクチンも少なく、医療体制が整えない国では致し方ない策ではありますが、マニラチームのメンバーたちは、こぞって政府の政策は愚かだと嘆いています。しかし私たちの国も似たようなものです。いったいこの国にはどのような未来が待っているのでしょうか。今回13県の緊急事態宣言が解除されるようですが、本当に大丈夫なのでしょうか。

飲食店や観光業だけではなく沢山の方々が大変な思いをしている中、一部の人たちの無責任な行動は、結局は自らの首を絞める形になることを気づかなければなりません。

それにしても・・・。コロナ禍、丸1年が過ぎ国産ワクチンも無ければ、ザルのような入国管理、支援も補償もまるで足りず、目立つのは週刊誌が暴露する話題ばかりです。

祐介先生、本当にこの国はどうなってしまうのでしょうか。

 

2021319日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人