2021.04.02 林会長のお便り

 祐介先生・牟田さん・キョーヤさんこんばんは。

 桜の満開の中で出発を迎えている皆様おめでとうございます。これからの人生が、目の前の桜の花のように人々に喜んでもらえる人生を展開して欲しいですね。

 私達がやっているハローアルソン・フィリピン医療ボランティアも17年目に突入です。この活動は4つの大きな柱がありますので、それを紹介しておきます。第一に、フィリピンのスラムの人達に無償の医療を届ける。第二に、そこで使う歯ブラシ・タオル・石鹸などを自分の周りの人達に呼びかけ集めて送る。第三に、この活動を通して自分の中に眠っている優しさや思いやりを思い起こしてもらう。第四に、この活動に高校生にも参加してもらって、優しい思いやりのある国際人に育ってもらうというものです。最初はたった一人の高校生に参加してもらうことがどれほど大変だったか思い出すと、今では500人以上も参加してくれたことに、只々感謝でいっぱいです。

 阪神淡路大震災、2009年アメリカ同時多発テロ、2011年東日本大震災、参加者が減ってもおかしくない中で、16年間、毎年右肩上がりに参加者・高校生は増え続け、昨年は成人者が70名、高校生が70名という大きなボランティアに膨らんでいました。残念なことに出発ロビーに集合してくれた愛知支部長の加藤正雄先生が心臓疾患のため急遽中止になり、初めて高校生が一般より多くなるという変則的なボランティアになってしまいました。高校生と一緒に行ってもらうためには「安全確保」が最重要になりますので、初めの頃は必ずスタッフと高校生が同部屋になり、スタッフの高校生の頃の話や、高校生の日常生活などを話してもらい人間形成の場に役立ててもらうようにしていました。しかし、高校生が増えるにつれ、スタッフの中にもフィリピン医療ボランティアのルーツや、年々様変わりする歴史を高校生に伝えたいという思いもおざなりになってきた頃、私が「脳幹出血」に見舞われ、2010年現地活動に参加出来なくなってしまいました。その時から関口団長と祐介先生が現在の形にアレンジしてくれました。以前のスタッフと高校生が同室になっていた時と、高校生同志が同室になる手法には、それぞれ長所、欠点があります。前者は年齢差を超えたところで様々なコミュニケーションが取れること、高校生のちょっとした変化にもすぐ対応が出来、安全が確保しやすいのですが、スタッフとの相性や、やり方になじめないこともあります。後者の場合は、同じ高校生同志、年齢によるギャップも少なく打ち解けやすい反面、もし何か起きたとしたらすぐに対応が出来ない可能性もあり、高校生同志では安全確保に問題が生じる課題が残ります。しかし同世代の高校生が他の高校生との触れ合いはそれ以上の可能性があり、私達の活動ではこの可能性を最大限に引き出すための様々なルーツを準備して活動にあたってきたお陰で、年々口コミで参加したいと思ってくれる高校生が激増しているのだと思います。

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医学博士・歯科医師 林 春二