2021.04.09 林会長のお便り

祐介先生・牟田さんこんばんは。

 祐介先生、ケガの様子、少しは良くなっているでしょうか。案じています。“一寸先は闇”過去のことは1年前のことでも10年前のことでも、すぐに思い出せなくてもヒントがあれば思い出せます。しかし将来、つまりこれから先のことはたった1分であったとしても分かりません。一瞬一瞬を大切にして何が起こっても大事に至らない準備をしておくことが大切です。政治家が常に選挙のことを思って、いつ解散しても慌てないように準備をしておくことを“常時戦場”だと気を引き締めていますが、政治家だけでなく、私達もそういう気構えを持って生活することも大切だと感じました。

祐介先生のケガが気が緩んでいたとか、不注意だったなどと非難しているわけではありません。今回のケガを通して、周りから掛けられる様々な声や言葉で勇気や元気をもらえるようなものがあったのではないでしょうか。そして心の中まで響く思いやりのこもった言葉の中に、心の琴線を揺り動かされるものもあったと思います。そのいずれも祐介先生がケガをして苦しまなかったら感じられないものだったはずです。普段何もなく過ごせたことがどんなに素晴らしいものだったか、身に染みて感じられたのではないでしょうか。五体満足にこの世に送り出してくれたお母さんに、そしてお母さんと力を合わせて歯科大学まで育ててくれたお父さんに、今までに感じたことのない感謝の気持ちが湧いたことでしょう。この経験を通して一回りも二回りも大きくなった祐介先生を期待します。

 ハローアルソン・フィリピン医療ボランティア2019に群馬県高崎女子高校から参加してくれた横田百奈さんが、福島県立大学医学部医学科に入学しました。おめでとうございます。面接試験で試験官から、ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアについて詳しく聞かれたそうです。ハローアルソンの面接の時の横田さんは、有名校の学生であるにも関わらず、どこかオドオドしていて引っ込み思案でした。そこで「もっと大きな声を出し、やる気・本気・元気を出すんだよ。そうすればその声で自分が勇気づけられるからね」と言ったことを思い出しました。参加する高校生には歯ブラシ200本、タオル40枚、石鹸50個で10㎏になる物資を集めてもらうことにしていますが、この時もそんなに集められるか不安になったそうです。実際に声をかけてみると、それ以上の物資が集められていました。その中に、たった一本の歯ブラシだけど持ってきてくれた友人がいて、その人の思いをスラムに届けたいと話してくれました。この時、横田さんにはどんなことをしてもいいから医者になって欲しいと思いました。その横田さんがこれから医者になって福島県の皆様に優しい思いやりのある医療を提供してもらえると思うと、老体に熱い血潮がみなぎって来るのを抑えきれません。頑張れ横田百奈さん!そして次の横田さんを目指す高校生、ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアに来てくれるのを待っています!!

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医学博士・歯科医師 林 春二