2021.05.21 林会長のお便り

 祐介先生・牟田さんこんばんは。

 日本中、ワクチン接種で盛り上がっています。欧米と言ってもイギリス、イスラエル、アメリカ合衆国でワクチン接種終了者が50%を上回っていると普段通り日常生活が出来るということで、社会に活気が出てきた所を動画で見せてくれています。外出禁止だったことからすれば自由に活動できるのは悪くありません。コロナウイルスが発見された当時は、未知のウイルスだったことや、有名人がなくなったこともあって非常に驚きましたが、1年以上たってみると段々とわかってきたものがあります。このウイルスの特徴は人から人へ伝播するのもので、人との接触を断てば感染しないということです。若い人であろうと高齢者であろうと同じです。飲酒や会食が問題にされますが、閉鎖された空間では飲酒や会食と同じようにコロナ感染者は出ます。前者には若い人達が多く、後者には高齢者も含まれています。感染予防には、マスク・手洗い・閉鎖した空間・人が集中することなどの三密を避けることが大切だと言われました。そのためにライブ、コンサートや観劇などは避けられ、ソーシャルディスタンス2mなどが予防のために大切だと言われ、人の流れを止めるためにWeb会議で公共交通機関の混雑を避けること等々(などなど)が感染予防対策として考えられてきましたが、これらの全てが実際に感染予防に効果を上げていたと思います。それではなぜコロナ禍は一向に(おさ)まらないかかということです。誰かが動き回っているからです。人の流れを止めて感染を防ぐという基本対策ですが、経済効果だけを考えるとマイナス面しかないことが最大の欠点です。私自身はある一定期間、人の流れを完全に遮断して一刻も早く病気を治すことが一番大切だと考えていますから、その為ならもっと極限(きょくげん)まで(おさ)える努力はしたほうがいいという考えでした。そして自分たちの在り方を考えたほうが、これからの社会にとって良かったのではないかと思います。64歳の時、脳幹出血を経験し75日間の闘病生活を強いられ、社会活動が絶たれたからこそ言えるのかもしれません。それは祐介先生にも言えると思います。骨折をして完治するまでは、どんなに焦っても元の生活は出来ないのです。この時、役立つのは「保障」です。つまり生きていくために最低限必要な保障の有無です。国民にとっては誰かれなく一様に「特別給付金」10万円がそれにあたります。これでコロナ絶滅させるために最低限の生活を考えたらよかったのです。10万円だけで数か月、社会生活を断つことは無理ですから、「Go to ~」をやらずに「特別給付金」を数回出したらよかったのです。これなら国民が全員同じ給付を受けられました。なのに旅行業者や旅館業者などに制限して不公平感を増幅させただけでなく、人流も増やしてしまいました。それがコロナ撲滅どころか緊急事態宣言を次々に発出しなければならないような社会を作ってしまったのではないでしょうか。皆さんが本当に経済の再生のために飲食や旅行がしたいなら、「Go to ~」にお金などかけさせないでください。そのお金を学生生活を経済的な理由で辞めなければならない人、生活費がいっぱいで自死をしなければならない人に集中的にお金を回したらどうでしょうか。

2021521

 

医学博士・歯科医師 林 春二