2021.06.11 林会長のお便り

 祐介先生・牟田さんこんばんは。

 先週はハロアルレディオに出演させてもらい、祐介先生と冒頭で“オリンピック・パラリンピック”の開催について菅総理が素直に頭を下げ、国民の皆様にお願いすることが最善策ではないかと話しました。一昨日行われた党首会談でも、今まで通りの「安心・安全な大会」としか言いませんでした。「安心・安全」は誰もが心掛けていることです。それでも交通事故は起こってしまいます。その安心・安全を守るためにはAIを駆使して人の足りない所を補助してもらったり、AIに運転任せるところまで進化しているのです。菅首相の言っていることは訳が分かりません。

 世界は今、コロナ真っただ中にいます。どこの国の人にとっても、「安心・安全」を求めていると思います。だからこそ、こうしたら安心・安全に生活が出来るという道筋(みちすじ)を説明して欲しかったです。イギリス、イスラエル、アメリカがワクチンによっていち早く安全な社会を実現させてみせてくれました。ならば、どうして日本はワクチンの早期接種が出来なかったのか、どうしたら世界中にこのワクチンを平等に分配できるのか説明して欲しかったです。この面でも日本のやり方は間違っていました。

 このコーナーでよく話題に出るデンマークは国民の多くの声によって政策が決まります。しかしそのすべてが上手くいくわけではありません。すると(かん)(ぱつ)()れず元の政策に戻します。それは当事者にとって不利益になるからで、もとの政策に戻したからと言って政治家が()るし上げになるようなことはありません。それはその政策が決まるまでに多くの国民の意見が取り入れられ、国民も納得しているからです。また政治家の公約にしても半分実現出来ればよい政治家だと言われます。ところが、日本では全く違います。選挙の時には国民に頭を下げて「皆様の清き一票を」と時代劇でも見ているかのような雰囲気で頭を下げまくり、普段なら後ろからツッカエ棒でも支えなければひっくり返ってしまうほど威張っている候補者が握手をしまくりますが当選するや(いな)や、ふんぞり返り国民の意見など聞こうともしません。それが今回のオリンピック・パラリンピックの姿勢によく出ています。政府や組織委員会は国民の反対する声や、延期したほうがいいという声は嫌というほどわかっていたはずです。ならば私達がやりたい、オリンピック・パラリンピックはこうしてやるの心配しないことを誰にも分る言葉で何度でも説明すべきでした。ところが全くトンチンカンな答え「安心・安全な大会を実現します」と、壊れたテープレコーダーのような言葉しか発しませんでした。どんな結果が待っていようと、国がお金を使うためには国民の税金を使わせてもらわなければ出来ないのです。私が全財産を投げ打ってやります。全閣僚が全財産を、この赤字(あかじ)補填(ほてん)に使ってもらうために「供託(きょうたく)しました」と言うなら、少しは自分勝手に振舞ってもよいかもしれませんが、多くの国民はそんなこと望んではいません。「もっと国民に顔を向け、国民に通じる声で説明して欲しい」というだけなのです。

2021611

 

医学博士・歯科医師 林 春二