祐介先生・牟田さんこんばんは。
昨日、海の日でマイクロツーリズムを楽しまれた方も多いのではないでしょうか。日中の気温が35℃を超すような暑さですから海や山に出かけたくなります。こちら信州も暑いですが木陰に入るととても涼しく快適です。こういうことも移住したい県のトップに信州が選ばれた要件の一つなのでしょう。東京の皆様はコロナ感染症の拡大で4度目の緊急事態宣言が発動され大変だと思います。気持ちを明るく持って乗り切ってください。様々な問題を抱えながらオリンピック・パラリンピックが開催されてしまいます。アスリートの皆さんに罪はありません。精一杯頑張ってもらいましょう。それからアスリートや関係者の皆さん、次は様々な困難を抱えて困っている人達のために、今回応援してもらった人達のために大きな声を出してください。署名を必要としている人には積極的に署名を、カンパが必要な人が声をかけてきた時には見て見ぬふりをしないで、その時自分ができるだけの金額で構いませんから快く協力してやって下さい。コロナ禍でオリンピック・パラリンピックが開催される今回は本当にたくさんの皆様の気持ちを曲げさせて開催されたことを心にとめておいてください。影響力がとても大きいのです。お願いします。私は朝7時に訪問診療に行ってきました。東京の人で軽井沢に静養に来ている80歳になる高齢者です。腰の骨を圧迫骨折していて現在は寝たきり状態です。この骨折もこの年齢の女性に多いものです。幸いなことにもう少しで立てるようになる段階ですがまだベッドから離れることが出来ない状態です。幸せなことに経済的に恵まれている方で私が今まで訪問診療してきた中で別世界のような感じがしました。多くの高齢者は生活するのがいっぱい、いっぱいで、出来れば施設で介護を受けた方がいいのではないかと思うような人も少なくありません。しかし施設といってもピンからキリまであって自宅の方がいいのではないかと思うようなケースも少なくありません。だとしても介護は受けられるので、一人で家にいるよりはいいと思うしかありません。そんな場面では思わず涙をのみ込むこともあります。この高齢者のお宅は玄関から病室まで沢山のランの花が咲き誇っていてお手伝いさんが常時2人、元看護師さんが1人、その他にも様々な花が咲き乱れる庭を管理する人たちが常時4名いるという、まるで夢のような生活をされています。おそらくこの高齢者にとって入所できるような施設はないでしょう。裕介先生と以前訪問した東京の松濤のマンションに住んでいた高齢者のお宅の5、6倍はありそうな家です。駐車場から玄関までのアプローチも花でいっぱいでした。それではそのような方に何か特別な診療があるかといえばそんなものはありません。痛くて噛めないというのが主訴でした。どんな生活をされていても痛みには敵わないのです。診療はそんなに難しくはなく、日常の診療がいかに大切なのかということでした。こういう立派な生活をされている人だと診療室の中では感じられないかもしれませんが、だからこそ患者さんとのコミュニケーションがとても大切なのではないかと思いました。暑さは始まったばかりです。リスナーの皆さん、くれぐれも体調に気を付けてください。
2021年7月23日 医学博士・歯科医師 林 春二