2021.07.30 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

オリンピックが開催され連日日本選手たちの活躍に多くの人達が興奮していますね。

先週のこの放送で祐介先生が「やる、と決まったのだから全力で応援する」と言っていました。私も今の政治のやり方にはとても不満がありますが、選手たちのあの活躍を見れば、純粋に応援し、感動し、そして感謝をしながら毎日テレビを見ています。

その開催にあたり、私たちハロアルのパートナーでもあり、友人でもあるマニラチームの代表リッキー氏から、オリンピック開幕式の素晴らしさを称えるメッセージが送られてきました。私は大会の無事と日本選手だけではなく、彼の母国フィリピンの選手たちの健闘も祈っていると返事をしました。そして、これは私の私見ですが、彼と共に17年間ハロアルの活動を続けてきましたが、現在コロナ禍の為に延期となり、今でも苦しい生活をしているスラムの人達の事を思うと、水を差すわけではありませんが、どこかやりきれない気持ちになると話ました。すると彼からこんなメッセージが来ました。

「私も同じ気持ちになったことがある。学生時代、私はバスケットと陸上をやっていました。その時私は裕福な大学の食事や宿舎などあらゆる環境の違いを見てきたことにより、今、その貧富の差における子供たちの苦しみを私なりの方法で改善したいと願うようになりました。そして、私の最大の成果はあなたのチームと共に活動ができることです。セキの感情は正しいと思います。私はオリンピックを通じ世界のあらゆる指導者たちが平和の意味を学んでほしいと思います。オリンピックは世界中の人間が同志となる最大の機会だからです。」

私は彼に送りました。「試合が終わりお互いを称え握手を交わし、抱き合えるならば、きっと私たちも同じように支え合うことができるはず。私は今までこのような大会は裕福な国の裕福な人たちのものであるという側面(そくめん)(ぬぐ)えなかった。事実、この瞬間でも貧困や飢餓、紛争で苦しむ人たちが存在する。この矛盾にどうしても穿っ(うがっ)た感情を持っていた。しかし、あなたの考えは私に新しい価値観を与え、スポーツを通じ何を学び行動するかを教えてくれた。私はこれからも心から彼らの(たゆ)まぬ努力に敬意と感謝を持ち応援します。そして私も私にできることで社会に還元したいと思います。」

祐介先生。メダルを手にした選手たちだけではなく、お互いの健闘を称え合い、時には涙を流す者に手を差し伸べる姿は本当に素晴らしいですね。私たちが彼らから学ぶもの。それは彼らの戦う姿勢から真の平和への誓いの精神だと思います。勝負には勝者と敗者は生まれるが、互いを認めあえば皆が平等にほほ笑むことができる。私たちはメダルの数に一喜一憂するだけではなく、世界中の人達が4年に1度、人種を超え全ての人間が一つになれる「チャンス」の意味を考えるべきですね。

それがこんな時こそ開かれた真のオリンピックの意味だと思います。            

 

2021730日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人