2021.10.01  林会長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは。

台風16号の影響はどうだったでしょうか?私たちの住む長野県は大きな被害がありませんでした。被害を受けてしまった皆さんには心からお見舞い申し上げます。今回の台風は大型台風ということでしたので心配しました。少しでも風の影響を受けると一粒がズッシリと重い信州特産のりんごは落ちてしまいます。するとせっかく採り入れの季節を迎えても販売できません。傷がチョットついただけで「ちりんご」として安くするか廃棄処分です。とてももったいないと思いますがこれが実態です。私はこういう悲しいことを避けるために協力できることがあるのではないかと考えています。そして周りの人たちにお願いしています。こんな時こそ値段をたたいてしまうのではなく、普段通りに買ってやったらいいと思います。ところが実際には値が付かないような価格、ジュースに加工するか、もっと安い家畜の飼料です。一年間手塩にかけて頑張っても捨て値にしかなりません。ジュースや家畜の肥料用はほとんど手をかけないというのは言い過ぎかもしれませんが、「量だけ」勝負です。あまりにも気の毒すぎます。近くの皆さんは普段通りに買ってやったらいいと思います。贈答品は別ですが、自分の家で食べるものは皮をむいたり、形をそろえて食べるのですから皮に傷の一つや二つあても問題ありません。学校給食もそうです。調理法を変え、値段をたたくのではなく、こんな時こそ普段通りの値段で買ってやったらいいと思います。もちろんこれで全部処分できるわけではありませんが、それでも助かります。困る時はだれにもあります。「お互いさま」という気持ちを大切にしましょう。

以前、「これから100年間頑張っていきましょう」と患者さんに呼びかけていることを書きました。「老人」が何をふざけているんだと思うかもしれませんがそうではありません。若いときはその若さがいつまでも続いて自分が年など取らないと思っているかもしれません。年はそれなりに取るけれど今のままで60歳になり、70歳になるだけだと。年をとって困ることなど何もないと思っているかもしれませんが、そんなことはありません。一番身近にいる自分の親が言っているのに聞こうとしないからわからないだけで、他人事なのです。やがて年をとって自分が親の年になると身体のあちこちが動かなくなったり、痛みが出て初めて気づき自分事になるのです。これでは世の中変えていけません。自分がやがて70歳になったら今の社会ではこんなところが大変だろう、とかこうしておいて欲しいことが実現している社会を作ってなければ困るに決まっています。今一番大変なのは年金と介護の問題です。今問題なのですからこれから10年先、20年先は安心していられるはずがありません。今現在大変だといわれている介護の問題はクリアされているのかということです。クリアするためには現在の政治家の皆さんが私達と同じ思いで、いやそれ以上の気持ちで制度を変えてくれなければ実現するわけはないのです。今度の政権はこういうことをしっかり国民と約束して実行してくれる政党にお願いするしかありません。

 

2021101日 医学博士・歯科医師 林 春二