2021.12.17 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

今年も残すところ約2週間で令和3年が終わろうとしている中、言葉に言い表せない怒りと恐怖さえも感じるようなニュースが報道されました。

私はこの事件が世の明るみに出たとき、どのような結末が待っているのか、それによってはこの国が公平で、本当に成熟した民主主義国家と言えるのか、それとも結局は弱い者が強いものに虐げ(しいたげ)られ、現実社会には正義などは存在せず、権力を持つ一部の人間が支配するどこかの国のようになっているのか注視していました。

祐介先生はこの結果をどのように感じたでしょうか。

先日、あのモリカケ問題に(たん)を発し、2018年に自殺した財務省近畿財務局の元職員

赤木俊夫(としお)さん(当時54歳)の妻、雅子さんが国などを訴えた裁判で、国は今までの姿勢を一転し突然「認諾(にんだく)」の手続きを取り、賠償責任を認めてこの裁判を終わらせました。

一見、原告側の勝訴のように思われますが、それは違います。大阪地裁で行われた

進行協議では、賠償請求を受け入れることで真相究明をせず訴訟を終結させ国が幕引きを図ったのです。つまり、これで遺族である奥様は事実上。裁判という形で真実を追求する場を失った形になるのです。祐介先生、これはあまりにも不誠実とは思いませんか。明らかに国は真実を隠したがっているだけじゃないですか。誰の為に?その相手とはまさしく時の総理、大臣、その他「忖度」の対象となった人物たちしかいないじゃないですか。そして新しくなった岸田政権も結局は忖度王国の門番係でしかありません。

赤木さんの奥様が本当に求めているのは賠償金じゃないのは誰が見ても明白です。

たった一つの真実、そして間違いを認めてそれを正す誠意、それだけを求め夫の名誉の為に「国家」という最大級の権力と戦ってきたのです。しかし、ネットでは一部の心無い人たちが赤木さんや奥様を誹謗中傷する始末。そして報道もあれだけ騒ぎ立てていても時期が過ぎれば見向きもしません。私は失った尊い命をその時の旬の話題にしてあたかも正義の代弁者のように語っていたメディアにも大きな責任があると思っています。祐介先生、もし私たちがこの事を明日は我が身と考え、声を上げなければ、私たち自らが、権力者が安心して暮らせる社会を築いているのも同じことだとは思いませんか。

これはたった一人の命が失われただけではありません。民主主義の根幹を揺るがし、国民の命を危険にさらす重大な問題だと感じるのは私だけでしょうか。

私はこの番組でたびたび祐介先生が熱く政治の事を話されるとき、私自身、事の真実を知らずに世論に流されるような意見を述べることを極力避けてきました。しかし、今回、約5年をかけたこの裁判の結末からハッキリわかったことは、この国の政治権力を握る政治家にはろくな人物がいないということです。祐介先生言葉が悪くてすみません・・ 

20211217日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人