2022.04.08 林会長のお便り

祐介先生・牟田さんこんばんは。

 ウクライナにロシアが戦争を始めた理由のいくつかが見え始めました。

 だからと言ってロシアの行為が許されるものではありません。武力はどこの国が使ってもいけないのです。ましてやロシアは国連の安全保障理事国なのですから。

我国は第二次大戦の敗戦国として他国に二度と侵略戦争はしませんということを宣言した内容の日本国憲法があります。この憲法の素晴らしいところは理由がどんなものであったとしても、外に対しては日本から武力を行使しないということです。どんなに大変であったとしても対話で解決する外交に頼るしかありません。

それにしても戦争は本当にもったいないことをします。何百年もかけて作り上げてきたもの全てを壊し続けるのですから、まったくもったいないと思います。今まで使えたものを他の場所に移すとか、もっと使いやすいように改築するというのならいざ知らず、全く使えないようにしてその場所にゴミの山を築くのですから何とも言いようがありません。いいかげんにして欲しいです。

 一発2000万円もするミサイルで何年もかけて築き上げたものを一瞬の内に吹き飛ばしてしまう破壊行為を何と言ったらいいのでしょうか。そしてこれから壊して散らばっている物を片付け、造り直すことがいかにもったいないことか・・・・。

 目を我国に向けてみましょう。このロシア、ウクライナ戦争を見て日本も「核を持つべきだ」、「敵基地攻撃ミサイルを持った方がいい」という声が上がっています。そのためには「憲法9条」を変えた方がいいなどという意見が出ていますが考えて下さい。我国は敗戦した時、戦勝国のアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国に対して不戦の誓い「敵国条頃」を書かされているのです。この敵国条項は日本が他国を攻めようとした時は国連に相談することなくどこの国から攻撃されても文句が言えないというものです。政治家の中には大戦後、何年も過ぎているから「死文化されて効力を失っている」という人もいますが、国連憲章の中にはっきり明文化されています。

今は政府や総理大臣が公式のコメントをしていないからいいようなものの、これが日本の正式な見解となったら、現在のウクライナどころではありません。直ちに攻撃されてしまいます。他国から見たらエンピツのような細長い国で周りは海、ミサイルや爆弾を好きなように発射しても他国の迷惑にはなりません。なんとも攻めやすい環境です。しかも東京一極集中ですから、東京に一発撃ちこまれたら終わりです。攻め落とされない方が不思議な位です。そして攻撃してくるとしたら中国です。日本がエンピツなら中国は大きな野球場のようなもので、どこからでも攻めて来られるのに対して、どこを攻めたらいいのかわかりません。相手としたら実に大きく攻めにくいのです。ミサイルにしても核にしても膨大な数が必要になります。だからこの国と戦うことは考えないでどこまでも対話外交で問題を解決するという姿勢を見失わないことです。

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医学博士・歯科医師 林 春二