2022.04.15 林会長のお便り

祐介先生・牟田さんこんばんは。

 春の遅い信州にもようやく桜の花が咲き始めました。寒い冬を乗り越えて淡いウスピンクの花を咲かせる桜の花に心奪われます。どうせ、この世に生を受けたのですから私達も沢山の人の心を和ませるような存在になりたいものです。

 ロシアがウクライナに武力侵攻を始めてから50日以上が経って、ロシアのミサイルや弾丸によって沢山の建物や街そのものが破壊されてしまいました。建物や街は復興すれば出来ないことはありませんが、今まで不自由なく使えたものを一瞬にしてガレキにしてしまうのですから何とももったいないことです。災害の多い日本で私達は自然の猛威によって破壊し尽くされた町や村を何度となく見せつけられ、その都度悲しみに襲われ、みんなで力を合わせて再興してきました。破壊し尽されたウクライナの再興に甚大なお金と労力が必要になることを考えてしまいます。不幸なことに現在のウクライナは破壊が止まって再興をできる訳ではなく、現在も破壊が引き起こされているのです。それも自然の猛威ではなく、人為的に。ウクライナの悲劇はそれだけにとどまりません。地球より重いといわれている沢山の人達の命が奪われ続けていることです。私は2009年、13年前の39日に母との別れがありました。当時母は98歳で私は64歳でした。年老いた母はそんなに遠くない内に別れが来るだろうと感じていましたが、いざその日が来ると悲しくて悲しくて毎夜涙が流れてしまいました。

 ウクライナの人達の別れはこういう別れではありません。生きる力がみなぎっている人の命が一瞬の内に奪われてしまったのです。若かろうが老いていようが男であろうが女であろうが無差別に。こんな悲しみや苦しみはあってはならないと思います。

 私はハローアルソン・フィリピン医療ボランティアに参加してくれた高校生に、毎夜行われるマニラミーティングでこの世で一番尊いものは「命」だということ、かつて東京で韓国から留学していた学生が線路に入った女性を助けるために線路に入って、助けてくれたのに自らの命を失ってしまったことを話しました。私達は日本とは言葉、生き方、宗教が全く違うフィリピンのスラムの人達を支援するボランティアに20年の歳月を費やして来ました。参加してくれた高校生は500人を超え、その後医者、歯医者、看護師、歯科衛生士になって社会貢献をしている人が多出しています。彼らが、さらに大きな社会貢献できる人になってくれることを祈っています。

 最後に長野県から遠く離れた県の方から最近の日本の情勢や、コロナワクチンに関する資料をいただきました。ありがとうございます。ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアを続けていくためにも、身体と精神が健康でなければならないと思います。

 ウクライナのみなさんに一日でも早く、安らかな日が来るようにお祈りしています。

 

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医学博士・歯科医師 林 春二