2022.04.22 林会長のお便り

祐介先生・牟田さんこんばんは。

 昨日は国会議員の先生に「75才以上の高齢者2割負担中止」の陳情(ちんじょう)に行って来ました。202210月から高齢者の窓口負担が1割から2割になります。この制度が導入されるに当たり、若い世代と高齢者の負担の平準化(へいじゅんか)を図るということでしたが、実際には若い人達は高齢者が2割負担になっても1ヶ月60円しか安くなりません。高齢者の負担は3千円近く多くなります。高齢者は身体が悪くなりますから様々な病気にかかりやすくなります。一つの病気だけでなく幾つもの病気をかかえるとその数に乗じて負担が増えます。多少の問題があっても我慢するようになり重症化します。早期発見、早期治療が出来ないので、重症化させて治る病気も治せなくなってしまいます。ひどい事にこういう「手びかえする人を見込んで」政府は1000億円、医療費を削減しているのです。

 社会保障というのは国が責任をもってやるのが当り前ですから、国が責任逃れしていたのでは社会保障など出来るわけはないのです。皆さんも御存知の通り、今回のコロナ禍でまん延防止措置を出しても国民には「お願いします」と言うだけでこんなに困っている人達がいるにもかかわらず、経済的な支援をほとんどしませんでした。記憶に新しいところでは昨年衆議院議員選挙で当選してたった一日でも1ヶ月分の文通費が支払われるのに、この見直しには「なんだ、かんだ」言ってゴネ回し、日割り計算になったに過ぎません。それなのに国民に対しては「お願いします」とお願いするだけです。

よく民主党が政権をとった時のことを「悪魔のような政権だった」と安倍総理は言いましたが、日本の所得が低下しているのは批判している自民党の時代が圧倒的に長いのです。

 1996年から2015年までの20年間の世界各国の「成長率」ランキングを見ると第1位がカタールでプラス1968%、第2位中国でプラス1414%、第3位ナイジェリアでプラス908%です。世界平均がプラス139%で韓国はそのすぐ上、アメリカ合衆国はこのすぐ下です。日本はダントツの最下位のマイナス20%でこのランキングにのっている中で最下位です。財政破綻したギリシャでさえプラス40%です。この間に民主党の政権がありました。その時代のことを悪く言う人が多いのですが、民主党の時代はたった2年間なのです。あとの18年間は全て自民党と公明党の政権です。この間の日本人の所得を高い順から低い人全て並べ、その「中央値」をみると、1996年に545万円だったのに2019年には437万円になってしまい、100万円以上も下がっているのです。なおかつ20代で貯蓄が全くない人は61%に上るのです。これでは結婚など出来るわけがありません。明らかに自民党、公明党の経済政策の失敗だと言えます。

 

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医学博士・歯科医師 林 春二