2022.04.22 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

数日続いた雨も今日はすっかり夏日になりましたね。

私の地元栃木県那須では4月の末から来月の連休にかけて、いよいよ田植えのシーズンに入ります。乾いた土を掘り起こし、用水路の門が開くと、勢いよく田んぼに水が流れます。そしてその水面に春の温かな日差しがキラキラと注ぎ込まれるのを見ると、本当に穏やかな気持ちになり、生きているという幸せを心から感じます。

しかし、テレビでは毎日のように未だ続くロシアのウクライナ侵攻の映像をみると、本当に言葉がでません。ウクライナはその豊かな国土から「欧州のパンかご」とも呼ばれ、

国旗からもわかるように青はどこまでも澄んだ青空、そして黄色は一面に広がる小麦畑を意味し、世界三大穀倉(こくそう)地帯(ちたい)とも言われています。しかしその空は爆撃により灰色に

染まり、広大な小麦畑は戦車や銃撃戦によって見る影もなく、ウクライナの人々が

数十年、数百年かけて築き上げた歴史や文化が一瞬にして無になってしまいました。

そして、多くの命が犠牲になり、今尚、逃げ惑い、水や食料だけではなくすべてが不足しながら生きながらえる人々の姿は本当に心が痛みます。

そんな中、戦争は世界経済にも大きく影響与え、私たち日本にも例外ではありません。連日報道では様々な食料品関係が値上がりをしているとのことですが、勿論、それに携わる方々のご苦労や、また、家計にも大きく響きますが、何日も防空壕のような地下に避難し、パン一切れを数人で分け合いながら命を繋ぎ、死の恐怖に怯えながら生きるウクライナの人達をみると、私たちも知恵を出し合い、もう少し我慢し合いながら生活すべきと思うのは私だけでしょうか。

さて、先日、私たちハローアルソンの現地パートナー・マニラ・ラハ・ソライマン・ロータリークラブが40周年を迎えました。本来ならば2年前にそれを記念した大規模な祝賀会がマニラで開催され、私や祐介先生も海外特別会員として招待されていましたが、コロナ禍のため延期となっていました。しかし、この度、新たな会報誌がだされ、

その中に私たちハローアルソンとの医療活動の記事や写真が掲載されていました。

代表のリッキー氏からは、「私たちの活動はハローアルソンと共にある」と連絡をもらい、お互いの変わらぬ友情を称え合いました。

私はこの17年。ハロアルに携わり国境を越え、人種を超え、言葉を超えた彼らとの関係を思うたびに、人を信じ、支え合うことの大切さを痛切に感じます。憎しみ合い、罵り合う顔は本当に愚かで悲しいものです。反対にマニラから送られてきた写真に写るメンバー全員の笑顔は本当に見るだけで幸せな気持ちになります。

今日もテレビではロシアの大統領の映像が流れています。正直、私には人間の最も醜い表情に見えてしまうのです。

 

2022422日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人