2022.06.03 林会長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは。

 昨日は国会に行って〝75歳以上窓口負担2割化中止″の国会内行動に参加して来ました。全国から100名近い先生方、事務局の人達が集まって衆、参両議員の紹介を引き受けてくれた先生方に各地で集められた中止署名70万筆を手渡して来ました。

私は長野協会の会長宮沢裕夫先生と、事務局員の田村さんと三人で参加してきました。窓口負担2割化中止集会で国会議員の先生方の応援の言葉の後に全国年金受給者で東京練馬区の高齢者の発言がありました。高齢者の収入は年金が全てです。その年金は物価スライド制で物価が上がったら、その比率分年金を引き下げるという鬼のような政策で高齢者をいじめています。コロナ禍でダメージを受けている上にロシア―ウクライナ戦争で物価が急上昇、玉ねぎなど昨年の2倍になっていて毎日食べる食費が上がっています。そこに医療費の窓口負担を2倍にするのですから、負担は非常に大きくなってしまうとなげいていました。これから先、不安で仕方ないそうです。現在自分の仕事は順調で勝ち組にいるからいいと思っている人も今のような政策が続くとやがてダメージを受けるようになります。高齢者の問題も全く同じで、若い人達が何年かして今より年をとったとき、自分の活力が今より落ちてきた時に今の高齢者の苦痛を皆さんが味わうことになるのです。他人ごとではないですよ。

高齢者は〝元気がなくなる″という共通項を持っています。病気にしても若い人には考えられない病気が増え、足腰の痛みで整形外科に、目が見えなくなって眼科に、胃腸の調子が悪くて消化器内科へ、高血圧で循環器内科へ、歯が悪くなって歯医者へ、と一人で5つもの病院に通うことも(まれ)ではありません。一つの病気ごとで治療費を今の2倍払うのですから、大変です。75才以上窓口負担2割が実施されると75才以上の高齢者一人の負担が一年間で4万円近く多くなります。それで若い人達の医療費がどれ位安くなるかというと一日20円です。年間で700円しか安くなりません。4万円近く多くなる高齢者は支払い能力に限界がありますから、多少具合が悪くても我慢して、一回でも少なくするでしょう。すると病気は悪化し治療費は更にかかります。

現在の消費税は全てが福祉に回っている訳ではありません。集められた4分の3に当たる73%はお金の心配のない高額所得者や、大きな会社の法人税減税のために使われているのです。そして福祉に使われているのはたった27%に過ぎません。だからこういう不幸なことが起こってしまうのです。今でも大変なのにさらに軍備を充実させようという動きもあります。そのお金はどこから生み出すのでしょうか。これだけ締め付けられている年金や医療費を更に減少して回すのではないでしょうね。新しい安全保障税などとても認めたくありません。

 本日の終わりにちょっと自慢を・・・・。昨年に続き我が御代田町は今年も長野県の住みやすい町のトップになりました。2位は松本市でした。

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医学博士・歯科医師 林 春二