2022.12.09 林会長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは。

 ワールドカップで日本代表選手が活躍してくれ、本当に思い出に残るいい大会でした。ベスト8がどこになったのか知りませんが日本チームのいない試合には全く興味が湧きません。準々決勝、準決勝、決勝に残るチームの皆さん精一杯頑張って下さい。

 先週(123日)には私達の勉強会、飛翔会が栃木県那須塩原市内のせきぐち歯科で開催できました。岡山の木元先生、愛知の加藤先生、千葉の鶴岡先生、茨木の根本先生、東京の祐介先生、長野からは当院の康二先生、上田の大石先生、山梨から宮沢先生、栃木の関口先生など10診療所から先生と各々歯科衛生士さんが参加し症例を発表してくれました。コロナ禍でオンラインの研修会や講演会が開催されたように、今回の飛翔会に私は御代田の診療所からWebで参加させてもらいました。一日がかりの勉強会で、ズッーと画面を見続けていましたので多少痛れましたが、集中して発表を聞けたのはすごくよかったと思いました。宮沢先生が新しい「インフォームド・コンセント」について講演してくれましたが「説明して同意してもらう」というインフォームド・コンセントでは不十分で「説明して納得してもらい、さらに患者さんの気持ちで途中で中断してもかまわない」というところまで深く患者さんの気持ちに寄り添って治療をすることが「新しいインフォームド・コンセント」であることがよく理解できました。このために歯科医師のコミュニケーション力をもっともっと高める必要性を感じました。

 また特別講演で栃木県のグループホームなごみの管理者をしている庄司康善先生が「コロナ禍における認知症介護」について自らの体験談を話してくれました。コロナにかかってしまった認知症の利用者さんは介護に当たる担当者がガウンをまといフェース・ガードにマスクをしている姿を見ると見慣れている姿と変ってしまい全く理解されないので困った体験です。幸いといえるのか不幸なのか、庄司先生もコロナにかかってしまったのでそれからはフェースガードにマスク、ガウンといういでたちをしなくてもすむようになってその認知症の利用者さんとうまい関係が保てたということでした。施設では利用者が私達の診療所に自力で来れる人や家族の同伴でまぁまぁ自力に近い能力を持っている人はまれで重度の認知症になっている利用者が多いので普段から大変な上にコロナのような感染症にかかってしまうと自分の部屋にじっとしていることは出来ないので周りの人を感染させてしまうようです。庄司先生のところは管理者自らが、24時間体制でコロナにかかった認知症利用者さんに対応できたので、クラスターを起こさずにすんだということです。日本全体で考えるとこういうラッキーなケースは少ないでしょう。もう少し介護にお金を回して安全な施設運営が出来るようにしてもらいたいものです。今軍備を拡大することばかりに目がいっていますがそんなところにお金をかけても利権になるだけで国民の安全が必ずはかれるわけではありません。社会保障にお金をかけるべきだと思います。

                              2022129

 

医学博士・歯科医師  林 春二