2023.02.03 林会長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは。

 先週、今週と寒い日が続いています。リスナーの皆さんお身体は大丈夫でしょうか。こんな時は無理をしないでジッと我慢をしてください。どんなに寒い日が続いても、このまま凍ってしまうことはありません。もう少し我慢すれば花の咲き乱れる春がやってきます。それにしても寒いですね。

 先週は当院の訪問診療の一コマを話させてもらいました。訪問診療に来てもらいたい高齢者や障害者の皆さんはこうした訪問診療だけでなく、社会生活をしていく上でいつも思うようにいかないことばかりです。そしていつも我慢させられています。皆さんも経験したことがあると思いますが、歯の痛さは格別です。この耐えられない痛さは歯が生きていくためにとっても大切な器官だからなのです。大の男の人でも泣きたくなる程の痛みでとても我慢できません。ですから訪問診療を申し込んで来たらすぐに行ってやった方がいいのです。一人でやっている先生はその日の患者さんを断ってでも行ってやって欲しいです。予約で来られる患者さんはいつでも来られます。社会から見放されがちの高齢者や障害者は診療所に来られないのですから、便宣をはかって欲しいです。いやいややっても、喜んでやってもやらなければならないことに変わりありません。どうせやるのですから、喜んでやった方がいいですよね。これが私の考えです。可能な限り声をかけてもらってよかったという思いを「話し方」にも「顔の表情」にも出すように心がけましょう。その方が喜ばれます。診療は患者さんの家であろうと診療室であろうと変りません。どこにいても常に誠心誠意、一生懸命にやるだけです。患者さんにきっと喜んでもらえます。これが林春二流の「医療の基本」です。有り難いことに祐介先生やハロアルの団長、関口先生はこういう私流を「林イズム」と言っておだててくれます。私は猿のようなものですからおだてられると調子に乗って更に患者さんに集中できます。最近は祐介先生の治療や患者さんの対応、関口先生のハロアル・フィリピン医療ボランティアの話を聞く度に自分のふがいなさに気づかされ、はずかしくなり、〝老兵はただ消え去るのみ″という言葉が身にしみるようになりました。

先週の放送でたった10日間の訪問診療、しかも最後の瞬間は半日の出来事でしたが、家族にとってこの上ない贈り物が出来たのではないかと思います。こういうふれ合いが出来るのも当院のスタッフの心が一つにまとまって全員の思いが同じ方向を向いて、みんなの力がプラスの方へ向かっている結果だと思います。これからも診療所スタッフ全員が一到団結し、全身全霊で診療に当たりたいと思います。

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医学博士・歯科医師  林 春二