2023.02.17 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

トルコ・シリアで発生した大地震は大変な被害となりました。犠牲になられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。

一刻一秒を争う中、懸命の捜索により救出されていく映像には本当に涙がでます。

東日本大震災や今回のトルコの大地震のように元来、私たち人間は、誰かが苦しみ、傷ついている時、本当は心を一つにし、沢山の知恵を絞り合い、助け合うことができる優しい生き物なのです。しかし、一方で価値観や宗教、言葉や肌の色、領土や財産、資源や利益など、自分たちの私利私欲、自己保身を求めすぎ、罵り合(ののしりあ)い、奪い合い、そして何よりも尊い大切な命さえも奪ってしまうのです。未だ終結をみないウクライナでの戦争を支持するすべての国の代表者や武力により互いをけん制し合い、自分たちの利益ばかりを主張する人たちに、瓦礫の下から救い出された幼子のあの顔、そして一つの命を守るために懸命になって戦う捜索隊の歓喜の喜びの笑顔はどう映るのでしょうか。

安全な場所で命を奪うような指示を出す者の顔と、反対に、自らの危険を(かえり)みず、誰かのために必死に命を救う者の顔。私たちは災害という悲しい出来事から多くの事を考えなければなりませんね。

そんな中、私たちハロアルも全てのしがらみを超え、67日からいよいよ3年ぶりの現地活動を開始するべく、明日の土曜日、団長の私、現地統括責任者の祐介先生、器材担当の岡山県木本先生、そしてオーラウンドプレイヤー愛知の加藤先生と共に、フィリピンのスラムに行き、事前調査や会議をしてまいります。

今回は3年ぶりの活動のため、参加人数を40名とさせて頂きましたが、おかげさまで全国から応募をいただき先日、定員達成となりました。ご参加下さった皆さんには心から感謝申し上げます。ハロアルは18年前に祐介先生が初めてスラムで治療した当時10歳の男の子アルソン君との出会いから始まりました。トルコの地震で世界中の人達が思いを寄せ協力しようと手を差し伸べることも、私たちハロアルがたった1本の歯ブラシさえも買えず、大切な歯を失ってしまう方々に支援することも、根本的なものは同じです。それは私もあなたも人間は誰かを支え、誰かに支えてもらいながら生きていかなければならず、そこには強者も弱者もなくただ、純粋にお互いを思う気持ち、それが共生社会の原点だと考えています。今回のメンバーには2020年、コロナ禍で活動が延期となってしまう最後の年に参加をした高校生が大学生となり参加を決意してくれた子たちが数名います。また、群馬県からは初参加ではありますが看護師さんもまだ活動が正式に決まる前から、是非参加をしたいと連絡を受けていました。そして時間と大切なお金をかけ多くの仲間が集結してくれました。勿論、今回は参加が出来なかった人達の思いも背負って、まずは明日、皆さんがハロアルに来て良かったと思ってもらえるようにしっかりと事前調査に行ってきます。

 

2023217日 ハローアルソンフィリピン医療を支える会 団長 関口敬人