2023.03.17 林会長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは。

 桜の花が咲きました。東京では3日前の314日に全国で一番早く桜の花が咲きました。当院の患者さんのアツ君が東大に合格しました。本当に良かったです。これからも頑張ってほしいです。

 WBC、ワールド・ベースボール・クラシック盛り上がっていますね。結果は93で日本の圧勝でしたが前半はどちらに転んでもおかしくない試合でした。大谷選手が先発し、4回まで完璧な試合になりました。一球ごとに大きな声を上げて投げる大谷選手に、日本選手は勇気をもらったと思います。

 そう言えば長聖高校でフィリピン医療ボランティアの講演をさせてもらった時のことを思い出しました。経済的に恵まれないフィリピンのスラムの人達の生活や、笑顔で生きる人達の話をした後に、ボランティアとはお互いに持っているものを半分ずつ分け合うことだという話をしました。どちらか一方が奪い取るのではなく、お互いに半分ずつ分け合うことの大切さや、そうすることによってお互いの立場が見えてきて更に人間関係は素晴らしくなります。弱い立場の人は守られていることに感謝し、よろこびの笑顔を返す。そして強い立場の人は自分の持っているものを提供して喜んでもらえてうれしがられる。すると会場の高校生から手が上がって、「私は駅伝の正選手になったり補欠になったりしますので今の話しよく判ります。選手になった時は補欠の選手に水を渡してもらったり声をかけられたりして力が出ます。逆に補欠になった時は選手が頑張れるように精一杯声援を送ります。その選手がいい成績だと自分もうれしくなります。ですから強い立場の人も弱い立場の人も喜びを分かち合うということはよくわかります。」と話してくれました。

 あの大ホームランを打っている大谷選手が3回に見せたバントヒットは試合の結果を大きく左右したと思います。大きな声を上げながら投げる一球の重さと打ったら大きなホームランを打てる選手が日本チームのために一番小さいバントを選択する行為は「肉を切らせて骨を断つ」武士道そのものだったように思います。世界一の能力を持った大選手が「自分を滅して、チームのために尽くす」これほど素晴らしい文化はないと思いました。不振を心配されていた村上選手にも大きなインパクトだったのでしょう。村上選手らしい2本の2塁打につながりました。村上選手の代わりに4番に入った吉田選手のホームランと大きな刺激を受けた日本チームの打線は爆発し、大谷選手の後を引き継いだ伊藤、今永、ダルビッシュ、大勢投手の豪華リレーはイタリアチームの息の根を止めてくれました。

 私達のハローアルソン・フィリピン医療ボランティアでも昨日の大谷選手のように個を滅して全体を救う、言い方を変えれば「他のために率先して頑張れる人に」なれるようにすることがいかに大切かということを教えてもらいました。

 2023317

 

医学博士・歯科医師  林 春二