2023.03.31 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

私の地元栃木県那須では桜が7分咲きでしょうか。あちらこちらで淡いピンク色のソメイヨシノがとても美しく咲き始めました。明日からは4月に入り、新たな門出を迎える若者たちにとって、新しい人生の出発が待っています。

私の息子もいよいよ大学に進学し、18年間育った家を明日、出ていくことになりました。娘は高校生になりますが、やはり4人家族の一人がいなくなるのは、親として子供の成長を祝う反面、正直、一抹(いちまつ)(さび)しさを感じます。息子は私と同じ学生寮に入寮するので、明日は私も家内も久しぶりに母校に行きがてら、引越しの手伝いに行ってきます。昨晩は沢山の段ボールに洋服やら文房具やらを詰め込んでいいましたが、一枚、また

一枚と、息子のタンスから見慣れた服が無くなっていくのを見ると、ただただ、毎日を健康に生活して欲しいと願うばかりでした。

そして夕食時、私は初めて彼にコップ一杯のビールを注ぎました。勿論、未成年ですから法律的にはダメでしょうね。しかしまぁ、親の管轄のもと、自宅でのお酒ですので、その辺は各家庭の判断としてください。息子は今時と言えば今時で、私や祐介先生とは

全くの真逆。中学、高校と親に隠れて酒やタバコなど一切やらず、ひたすら野球に打ち込んできました。ですから、いきなり大学に行き、免疫のない彼が酒など飲んで何かあったら心配だと家内が言い始め、門出を祝いながらお試し飲酒をしようと言うことになりました。私はまずビールの注ぎ方を教え、乾杯をしました。妹がそれを携帯のビデオにとりながら、息子が一口飲むと、案の定眉間にしわ寄せ、漢方薬を飲んだような苦い顔をしながら、「こんなのみんな本当に美味しいと思って飲んでるの?」と言いました。そして「ダメだ、やっぱりお茶だ」と言いながら食事をし始めました。

私も家内も大笑いをし、体は大きくてもまだまだ子供の息子の姿を見ながら、私は30年前、親元を離れたときの自分を思い出していました。

「あぁ、私の親も私が家を出る時、同じように思っていたのだろうな。」そして自分が親になり、改めていくつになっても親は子を心配するものだと感じました。

食事のあと、私は言いました。「「便りの無いのは良い便り」というが、たまには連絡しろよ。」息子は「うん」と一言だけ言いました。

今朝、仕事に向かう時、息子の部屋に行きました。案の定ぐっすり寝ている彼に、私は

恐らく最後になるであろう、毎朝ずっと言っていた言葉を言いました。

「おい、いつまで寝てるんだ、早く起きろよ」彼は眠たそうに「うん」と一言。

車に乗る前、ふと庭の桜の木を見つめました。彼が5歳の時に植えた琉球桜です。あんなに小さかった苗木が今では大きく真っ赤に咲いています。旅立つ息子を思いながら、

今年の桜はなぜか胸が少しチクチクするような、そんな満開の桜でした・・・。

2023331日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人