2023.04.14 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

私の地元栃木県那須ではすっかり桜が散ってしまいました。ここ数日は黄砂がひどく、祐介先生の住む東京などはどうでしょうか。

何やら黄砂によって花粉爆発なる現象が発生するらしく、花粉症の私にとっては本当に困ったものです。

さて、祐介先生、いよいよ67日から約3年ぶりに開催されるハロアル・フィリピン医療ボランティア現地活動が近づいてきましたね。

私も毎日のように現地チームのメンバーや代理店と連絡を取り合い、細かな打ち合わせに入っています。祐介先生の病院では特別枠として参加をする高校生3名の事前研修が始まったと聞きました。今回の現地活動は原則として現在のコロナ禍の状況を鑑みて(かんがみて)高校生の参加を延期しておりましたが、それでも参加をしたいと情熱と覚悟をもって連絡をくれた高校生3名に対し、親御さん、そして学校側に説明と了承を得てハロアル会長林先生が特別に参加を許可しました。実はこの3名の参加には公募の公平性や現状への不安があった為、何度も会長にご相談しました。すると林先生は「参加ができないはずなのに、それでも応募してきてくれた高校生が本当に有難い。」「これがボランティアの素晴らしい所」とおっしゃり、参加に至りました。その後、私も3人の高校生とやり取りをしましたが、皆、とても熱意があり今からとても楽しみです。正直、全国の高校生の中にも参加をしたかった子は沢山いるでしょうね。今回は人数制限や様々な事情があり、ご要望にお応えすることはできませんでしたが、6月の活動を無事に終え、来年の2月には是非、多くの高校生が参加できるように頑張って参ります。

現在は現地での2日間の医療奉仕活動の際に、どれくらいの患者さんの治療ができるかその人数の調整をしています。過去のデーターや今回のメンバーを考慮し色々と意見を交わしていますが、その人数によって現地スタッフがスラム内の各家庭を調査し、最も貧しい家庭から治療チケットを配布していきます。

数年前、ある活動場所でのことです。3万人を超えるスラムの集落でそのチケットを配られたのは約600枚。正確に言うと600世帯だけで、公平を期すためにそのエリアで最も貧しい家庭に一枚、一人だけ治療を受けられるチケットを配りました。すると、活動中エリアの責任者が私にこう言いました。「私たちはこのチケットを神様のチケットと呼んでいます。」「恐らく彼らは人生で最初で最後の治療となるでしょう。」

私はその言葉を今でも忘れられません。毎年、早朝から私たちがやってくるのをチケットを握りしめながら今か今かと待ってくれているスラムの人達のためにも、しっかりと準備をして頑張って行こうと思います。

 

2023414日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人