2023.05.19 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

ここ数日間、まるで真夏のような暑さでしたね。と、思ったら今日などは私の地元栃木県那須は朝から肌寒く、どんよりとした曇り空です。毎日の急激な気温の変化で体調を崩される方も多いのではないでしょうか。

さて、祐介先生、いよいよ21日日曜日、約3年ぶりに復活さるハロアルフィリピン医療ボランティア現地活動に向けて、全参加者を対象とした東京事前会議が開催されますね。私も久しぶりの会議ですので、準備は万全ですが、足りないところはないか、忘れているところはないか、毎日チェックに追われています。しかし、有難いことに、器材準備は岡山県木本先生が全て担当してくれたり、今回は祐介先生の医院のスタッフもお手伝いしてくれます。そして、継続して培われた経験の中、私の医院のスタッフもとても手際よく準備してくれていますので、明後日、皆さんにお会いするのが本当に楽しみです。しかしこのように今、この会が運営できるのも、会発足時、右も左もわからぬまま、細かなことに気を配りながら準備を続けてくださり、そして安全に活動を引っ張ってくれた事務局長野、会長林先生のスタッフの努力のお陰だと思っています。ましてや当初は私もあなたも会の運営などちっとも気にせず、若さと情熱と勢いで参加をするわけですから、それはそれは大変だったでしょうね。今、こうして私も私のスタッフも会の中心で様々な協力をさせて頂くようになって初めてその苦労が分かります。同時に、地位や名誉のためではなく全て無償で「誰かのために」行動できる場を与えてもらえる喜びとありがたさは、何ものにも代えがたいものであり、私の人生にとても大きな影響を与えてくれます。

祐介先生、活動再開の楽しみの他に何といっても今回は会長林先生の息子、康二が晴れて歯科医師となり、初めて康二先生となって父と共に参加をしますね。以前、兵庫県支部菅原先生のご子息も親子で歯科医師として参加をしてくれましたが、今回はいよいよ彼が私たちの師でもある林先生と一緒にあのスラムで治療をすると思うと、本当に感無量ですね。祐介先生も私も世界一歯を抜かず、誰よりも患者さんを大切にする林先生が涙を流しながらスラムの子供たちの歯を抜く姿をずっと見てきました。そしてその姿に私たちは歯科医師の本当の姿を学び、自分たちが目指す歯科医療とそれができない貧困の現実に(さいな)まれながら、一人の人間として何をしなければならないのかを今でも学ばせてもらっていますね。祐介先生、康二先生が歯科医師として初めてあの場に立ち、父の姿を同じ世界で見たとき彼が何を学ぶかとても楽しみですね。

「患者さんが最も望まない治療は歯を抜くことだよ」私が19年前、初めて林先生に出会い、投げかけられた言葉です。その言葉の意味を深く刻みながら私も彼と一緒に頑張って行きたいと思います。

 

2023519日 ハローアルソンフィリピン医療を支える会 団長 関口敬人