2023.06.30 林会長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは。

 今年のハローアルソン・フィリピン医療ボランティア2023に行って、帰ってきて最初のハロアルレディオに出演させてもらってからもう2週間も過ぎて今月も終わってしまいます。

 今回の活動の詳細については関口団長が話してくれたのでよくわかってもらえたと思います。そしてこの活動は医療が届かない生活困窮者のスラムの人達に日本の最新の医療を届けるための活動です。祐介先生が始めた時から数えると20年を越しました。

 ボランティアというと困っている人が居たら、望まれることは何でもいいから出来ることを出来るだけやったらいいですが、このハローアルソン・フィリピン医療ボランティアは可能な限り最新の考え方ややり方を届ける努力しています。一年間準備して誰かれの隔てなく全員が同じ考えで同じ治療が出来るように調整した上で全員が一同にする全体会議を開いて最終確認をして出発します。

 例年ですと27日~10日に実施して活動が終ったら1週間以内に参加者全員が2400字の活動報告を書き、その年の報告集が出来ます。その報告集を皆様に3月中旬~下旬にかけて報告会を開催し、その年の実績や協力してもらった物資の数や数量を現地に行けなかった地域の皆様に報告させてもらっています。毎回300名近い人が集まってくれます。そこで次の活動の案内をして翌日から次の募集が始まります。会場に来てくれた人は最高の協力者になってくれます。

 ハブラシ、タオル、石鹸を一年かけて沢山の皆様が診療所に届けてくれ、本番に突入します。またこの報告会では高校生が募金箱を持って来場してくれた皆様からカンパを集めてくれます。小さな会にとってとても有り難い収入になります。

 カンパはそれだけではなく多くの人が協力してくれています。今年も昨年まで石垣島から一年に一度歯科検診に来てくれる本永(もとなが)聖子(せいこ)さんが1万円カンパしてくれました。病気の治療のために九州の博多の方に引っ越されたそうですが、石垣島より近くなったとはいえ、九州から信州まで来るのですから相当の出費になります。その上での1万円のカンパですから本当に有り難いです。

 私の診療所の宮入さんの息子さんはその年にもらったお小遣いの中から小銭をためて大きなビンに入れて持って来てくれています。もう何年にもわたっているので本当に有り難いです。こうした皆様からの御支援をもらってこの活動を続けて来られたので参加する高校生には例え1つだったとしてもこの人達の誠意がいっぱい詰まった、一人ではとても持ち上げられないような重さを感じてスラムの人達に渡してほしいのです。

 ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアの素晴らしさはこういう思いやりのキャッチボールだと思います。これからもよろしくお願いします。

 

 2023630

 

医学博士・歯科医師  林 春二