祐介先生、牟田さんこんばんは。
今夜は先日行って来た群馬県新島学園中学校・高等学校での講演会の話をします。時間は関口団長・祐介先生と私で1時間と短かったのですが内容の非常に濃い講演になったと思います。最初に祐介先生がハローアルソン・フィリピン医療ボランティアとは違う東北大震災の話から始め、ボランティアの大切さ、仲間の大切さ、そして何よりこういうことを伝える大切さがいざという時に大きな力になり、予想だにしなかったことが起こってもすぐ役に立つ危機管理の大切さについて語ってくれました。日本が他国に攻められたら困るから軍拡をして、その準備をしようという気運を政府は高めようと躍起になっていますが国内の状況はそれどころではありません。30年間給料は上がらず、コロナが追い打ちをかけているところにウクライナ・ロシア戦争で輸入品が高騰し、生活は四苦八苦です。20代、30代の人達の貯金は全く出来ないどころか一日満足に食事もとれない子供達のために地区の有志が集まってやっている子供食堂は全国に7,000ヶ所もあり、ついに今の日本は発展途上国でもないのに国連の「貧困国」に認定されてしまいました。こんな状況でどんなに軍備を拡大しても戦う体力や気力が出せるとは思えません。
次に関口団長がハローアルソン・フィリピン医療ボランティアについて詳しく説明してくれました。新島学園とハローアルソンの結び付きは既に134名の学生さんが参加してくれています。その先鞭をつけてくれたのが2009年に参加してくれた堀篭ありささんでした。15年もしないのに134倍ですから物凄い勢いでした。この前年の2008年11月16日に私が訪問診療中に脳幹出血で倒れ、スタッフの武井裕子さんの気転で命をとり止めただけでなく、今日まで15年間現役生活を送ることが出来ました。そのすぐ2ヶ月後に行われた活動ですから私は参加できませんでした。関口団長と話は出来ましたので今までやって来たことをやってくれればうまく行くことを伝えました。関口団長と祐介先生は東北大震災が急に起こったようなものですから、大変だったと思います。この活動は1回目の人でも10回目の人でも常に初心の時の真剣さと素直さで事に当たりますから、どんなことが起こったとしても全く問題が起こるようなことはありません。新島学園の生徒会長をしていた舟山あらた君が参加した時は直前にスノーボードで骨折してしまいました。そんな状態では皆様に迷惑をかけるから辞退したいと言って来ましたが、ケガや病気はしたくてする訳ではないのだから行けるならいい経験になるから行きなさいと言って連れて行きました。白い三角巾で腕をつった状態で参加しました。とても感動的なようでした。私は講演会で、どんなことがあっても参加者全員で力を合わせてやる活動の大切さを知ってもらい、この活動は自分の人生だけでなく他の人の人生にも大きな影響を与える活動なので素直になって素直に聞いて素直にやってくれたら優しく思いやりのある人になることを話しました。
2023年9月15日
医学博士・歯科医師 林 春二