2023.10.20 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さん、こんばんは

 

祐介先生、今、中東では大変なことになっていますね。

恐らく多くの日本人は「中東問題」と聞くと少し遠い国の話のように思うかもしれませんが、連日テレビから流れる映像は本当に心を痛めます。

爆撃を受け、多くの人達が命を落とす中で、何の罪もない子供たちの死体がモザイク越しに至る所で映る様子は涙無くしてはいられません。そして私たち日本人には想像もつかない中東地域の民族や宗教的問題の根深さは、ウクライナへのロシアの主権侵害とは違い、互いの主張こそが正義と信じてやまない指導者や兵士の姿に、ある種の狂気さえ感じるのは私だけではないはずです。この問題の発端は19世紀の「シオニズム運動」まで遡り(さかのぼり)ますが、ここではその歴史的背景は省略しますね。しかし、映像から何度も「神は偉大!」と叫びながら命を奪い合う彼らに聞きたい。あなたの神は本当に人の命を奪うことを良しと教えているのだろうか。

戦争は本当に、本当に愚かな行為です。人類が何百年、何千年の間に築き上げた全ての物を一瞬にして破壊し、そしてたった一つしかない尊い命を奪ってしまいます。何故、そんな単純な事が分からないのでしょうか。そして誰もが分かっているはずなのに、何故、命を奪う道具や思想や制度にばかり知恵を絞り合うのでしょうか。

ロシアのウクライナへの侵攻、中東問題、中国の海洋覇権、北朝鮮の核開発・・・

世界は少しずつ軋み始め、まさに第三次世界大戦前と言っても過言ではなくなりつつあります。しかし、戦争という愚かな行為を繰り返さないためにも、私たち一人一人がまず、平和への意識を高め、関心を持つこと、そしてやはり国民の命を真剣に考える政治を私たちがいつも注視して、決して破滅の道に向かわせない事です。

さて、祐介先生、戦争や差別とは全くの真逆に位置する、私たちのハロアルはいよいよ来年の2月の出発まで4か月となりました。現在、各支部で父兄との面談や研修が始まろうとしていますが、今週の土曜日から団長の私、祐介先生、そして岡山木本先生と3人で現地調査や行政機関との会議に行って参ります。祐介先生、今回はいつもより更に大変ですね。深夜便での移動から医療奉仕活動が3日間となり、更にマニラ市内ではなくカビテ市でも活動をする予定ですから、しっかりと調査していきましょう。

今回103名の方が参加を希望してくれました。皆さん、色々な思いを抱いて参加をしてくれています。高校生なかには自分の何かを変えたくて参加を希望した方もいました。

本来ボランティアは目の前の悲しみや辛さに純粋に向き合う行為ではありますが、私はこのハロアルの扉は色々な入口があっていいと思っています。しかし、私たちが一生懸命、一心不乱に取り組む姿勢を見て4日間共に過ごした後のハロアルの出口が一緒であれば良いと思います。そんな活動になれるようしっかり準備していきます。

 

20231020日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人