2023.12.29 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

今年最後のハロアルレディオですね。祐介先生、牟田さん、レインボータウンFMの皆さん、今年もお疲れさまでした。そして、リスナーの皆さん、今年も私たち「ハローアルソン・フィリピン医療ボランティア」に沢山のご支援、ご寄付をありがとうございました。祐介先生、今年はどんな年でしたか?

やはりなんといっても、2020年から延期となっていたハロアルの現地活動が、今年の6月、約3年ぶりに復活したことは本当に喜ばしい事と同時に、私自身、ボランティアというものにもう一度真摯に向き合い、いかに私の人生にとって大きな影響と学びを教えてくれているかを再確認しました。

3年ぶりにスラムに立ち、コロナによってさらに貧富の差が激しくなった現状は、本当に心が痛みました。祐介先生と視察に行った際、小さな兄弟が街中で一輪の花を観光客に売り歩いていました。ボロボロの服、ほこりと(あか)まみれの体、やせ細った手で私が渡したわずかなお金を握りしめ、一目散にゆで卵を売っている露店に駆け出しました。そしてお兄ちゃんが妹のために殻を割って手渡し、妹が美味しそうに食べている姿を確認してから自分も食べ始めるのです。私はその姿を見ながら我々人間自ら作り上げた貧困によって何ら罪のない子供たちの悲しみから、私たち日本人が物質的な豊かさの中に忘れかけた「心」を見たような気がしました。

ハロアルは祐介先生が19年前に初めて出会った当時10歳の男の子「アルソン君」との出会いから始まりました。そして沢山の人達の協力を得て、現地に数十万本の歯ブラシやタオルを届け、(のべ)1万人以上のスラムの人達の治療をさせて頂きました。私たちはこれからも沢山の感動と悲しみに出会いながら、全ては変えることができなくても、きっと何かは変わるはずと信じ、頑張って行こうと思います。しかし、私たちの活動に多くの賛否が寄せられることも事実です。だからこそ私は常に謙虚で誠実に一つ、一つの出会いに感謝をしながら人生を懸けて活動をしていこうと思います。

祐介先生、新しい年がもうすぐ始まります。あなたと出会って来年で32年が経ちますね。お互い同じように年を重ね、同じように健康にも気を付けなければなりません。

しかし、私が更に心を奮い立たせ、前に進む力を生み出せるのは、あなたも同じように頑張ってくれるからです。今年も沢山お世話になり、その何倍もお世話をしました。

どうぞ来年もよろしくお願いします。最後に、私たちがこのように幸せな時間を過ごす中でフィリピンのスラムでは沢山の子ども達が私たちの活動を心待ちにし、世界では未だ続く愚かな戦争で尊い命が失われています。どうか皆さん祈りましょう。自分たちの幸せだけではなく誰かの幸せを祈れる心こそが、いつか世界から憎しみや悲しみが無くなることを信じ、祈り続けましょう。皆さん今年もありがとうございました。

 

20231229日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会  団長 関口敬人