2024.03.01 林会長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは。

 昨日から今朝にかけて庭には真白な雪が30㎝も積もってしまいました。春が遅い信州と言っても3月に入りましたから、さすがに極寒の中で降る雪と違って水分をたっぷり含んだ重い雪で、雪かきがとても大変でした。この冬、雪かきをしなければならないようなことはおそらく今回が最後になるのではないかと思います。

 大雪で飛行機が飛んでくれるか心配しながら、バスでの出発を新幹線に切り替え、出発した今回のハローアルソン・フィリピン医療ボランティア2024でしたが、無事終了しました。沢山の皆様の御協力のおかげです。ありがとうございました。その報告集の編集まっただ中です。栃木県の関口歯科医院の皆様とりわけ渡辺愛人先生のご苦労は大変だったと思います。早急に目を通させてもらって23日に開催する「第18回ハローアルソン・フィリピン医療ボランティア」の報告会に間に合うように印刷屋さんに回さないとなりません。

 私はボランティアの「真髄」はやさしさと思いやりだと思っています。普段だってやさしい人、思いやりのある人はいくらでもいます。そういう人は生まれながらの天性によることが多いのだと思います。ではそれ以外の人達はどこで「心磨き」したらいいのでしょうか。真面目に仕事をするだけでは「心」は磨けません。たいがいは自分はやっているという思いが強いので、大きな問題でもない限り自分のことなど冷静に評価しないからです。相手の立場になって心を尽すことは人間として当り前と言えば当り前なのですが、忙しさでつい忘れてしまい、やさしいどころかつっけんどんになってしまったり、大声を出すようになったりしてしまいます。

 信仰している人は別でしょうが、何もしない人はその時の状況に流されて、忙しいのだから仕方ない、むしろこんなやり方をさせる人が悪いのだと自らを省みるどころか人を責めてしまうかもしれません。そうなってはおしまいです。自分が気づいていながら変えることもなくそのまま忘れ去られてしまいます。それが普通です。つまりそれでは「心磨き」は出来ません。ところがボランティアは違います。自分に何がなくても支援される人に望まれたら、ゆとりのある人にお願いして協力してもらうか、お金を出して頼まれたものを買うしかありません。他の人の為に頭を下げたり、お金をしたりすることは頭を下げさせ、やりくりを上手くしてくれます。人に感謝が出来るようになります。協力してもらえたらうれしくなり更に感謝したくなります。

 こういうことが「心磨き」になって思いやりのあるやさしい人になる訓練になるのではないでしょうか。

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 医学博士・歯科医師 林 春二