2024.04.19 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

私の地元栃木県那須ではもう桜が散り始めました。

あれほど美しい桃色の花びらに覆われた木々も、日に日に青々と変化し、路上にはいたるところで散りゆく小さな桜の花びらが少し寂しそうに春の風に舞っています。

そんな中、今度は愛媛県、高知県、などで震度6弱の大きな地震が発生しました。

今年に入り震度5以上の地震が(すで)23回以上という例年にないほど大きな地震が発生していると言われていますね。

南海トラフ地震の予兆とも噂されていますが、もはや誰もがこの巨大地震は必ずやってくることは知っています。しかしそれを予想することは現在の科学では不可能です。

であれば、やはり大切なのは日ごろからの防災に対する「備え」。これしかありません。祐介先生は何か地震や災害に備えて準備をしていますか?

私は家の倉庫に1か月程度生活ができる食料、水、電池やロウソク、ガスコンロ、そしてラジオやその他の防災グッズを用意してあります。私のような田舎ではビルの倒壊などの危険性はありませんが、やはりライフラインや道路などの物流経路が遮断された場合には大きな影響を受けてしまうでしょう。東日本大震災の時もある程度の準備をしていましたが、いつ起こるかは誰にもわからない災害に対して、個人レベルでできること、そして行政、政府がやらなければならないことをしっかりと準備する必要がありますね。そしてもう一つの準備、それは災害時、緊急時だからこそ、困ったときはお互い様の気持ち、「心の優しさの準備」です。誰もが不安になり、誰もがまずは身の安全を考えますが、そんな時だからこそみんなで助け合う精神が実は最も大切に思います。

前回の放送でハロアル会長林先生が明治時代、駐日大使を務めたフランスの外交官、ポールクローデルの話をされました。「日本人は貧しい。しかし高貴である。世界でどうしても生き延びて欲しい民族をただ一つ挙げるとしたら、それは日本人である。」という言葉を紹介しましたね。この言葉は大東亜戦争の中、日本の敗戦が濃厚だった頃、フランス・パリの晩餐会でスピーチした時のものです。当時、日本とフランスは敵国同士、その関係でありながら彼は日本をこのように評価したのです。それはなぜか。

彼がまだ日本に赴任していた時、関東大震災を経験しました。街中が廃墟と化し、

誰もが恐怖と不安で過ごすなか、ただ一つの不平不満をいわず皆が野営で過ごしながら、苦しむ者に「どうぞ、どうぞ」と譲り合い支え合うつつましい日本人の懇願の声を聞いていました。その姿見てこれこそがどんな時も礼節と慈悲を忘れない世界で唯一の民族だと思ったそうです。あれから100年後の今。私たちも迫る災害に対し、

対策と準備、そしてそんな時だからこその優しい心を忘れずにいたいですね。

 

2024419日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人