祐介先生、牟田さんこんばんは。
今ギリシャを訪問している「佳子さま」の言動が好評を得ています。清楚な佇まい、伝統の和服姿がいずれも皇室の方の品を備えていて素晴らしいです。どんなに華美になったとしても日本の象徴である方々のことなので私たち凡人がとやかく言うことはおこがましいけれど、「佳子さま」はお召し物にしても立ち振る舞いにしても好感が持てます。
日本の象徴であるこの人たちでさえそうなのですから、私たちは偉ぶらずに謙虚にした方がいいと思いますがどうでしょうか。
私たちが今やっているハローアルソン・フィリピン医療ボランティアは4つの大きな柱を持って、それぞれの皆さんが精一杯の努力をしていく姿を、ある時は参加してくれる高校生の皆さんに、ある時は職場の同僚の皆さんに、また、歯科医師の私たちは患者さんに、ボランティアをやっているのにふさわしい言動で接することが出来ているでしょうか。または、協力してもらえるように振舞っているかを考えてほしいと思います。
多分皆様は自分ほどしっかりしている人はいないというくらい、自分の言動に自信を持っていると思います。自分の立場が責任の重いリーダー格であればあるほど自信満々に物事にあたっているのではないかと思います。
自信過剰とかエゴっぽいなどと批判を受けていてもその人の耳には届かないものです。こんなときはちょっと身を引いて周りの人に、「私のこのやり方はどうだろう?」「もっと違うやり方はあるかな?」というふうに一歩も二歩も下がって周りの人の意見を聞いてみてはどうでしょうか。
みんな精一杯やって今日を築いてきたのですからすごいことだと思います。だからといって我が強かったり、傲慢に振舞ったりしたのでは嫌われるだけです。わかっているというだけでなくもう一回、謙虚になる努力をしてみましょう。
日本で最高位にあたる「佳子さま」でさえそういう方なのですから、私たちはその何十倍も努力して謙虚すぎてもおかしくないのではないでしょうか。
ここ数回よく名前が出てくるフランス人のポール・クローデルという外交家ですが明治時代の日本人をみて、「日本人は貧しい。しかし謙虚だ。この地球上に一つの民族を残すとしたらそれは日本人だ。」と言われた明治の日本人も謙虚な人を指していました。リスナーの皆様も周りの人に、「私は皆さんの目から見たら傲慢な人なのでしょうか?それとも謙虚な人なのでしょうか?」と聞いてみてください。聞いてみると周りの人は必ずいまのあなたがその人にとって素晴らしい人なのか、もう少し頑張った方が良いのかよくわかります。
ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアの真髄はこういう謙虚で思いやりのある自分になるための修行でもあるのです。
2024年5月31日
医学博士・歯科医師 林 春二