2024.06.14 林会長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは。

 

前回はスタジオで話をさせてもらい、有難うございました。64日前後の放送と108日前後の2回についてはハローアルソン・フィリピン医療ボランティアのことだけでなく、「歯の大切さ」について話そうということになっていましたが、残念なことに関口団長が足の骨折で祐介先生との掛け合いになってしまいました。1日でも早く治ってほしいです。同じ話題だとしても2人と3人では話の展開が違ってきます。その方が楽しい話ができるような気がしますし、実際にそうだと思います。本が好きで沢山の本を読んだからと言って本に書かれているようにできるかというとそんなことはありません。つまり沢山の知識が身につくかもしれませんが、人間が生きていくには本の中の通りの事ではなく、全く反対の考え方でやっている人も少なくありません。その人たちが常に争っているわけではなく、むしろうまくやっている人達だっているのです。これが知識や常識というものではなく、社会で生きる知恵なのだと思います。

「亀の甲より年の功」という諺があります。その道に通じている人を尊重しましょうという事だと思います。賢く生きて喜ばれる人になりなさいという事です。どんなに沢山の本を読んで様々なケースに対応できる方法を学んだとしてもその瞬間にそれが発揮できなければ何にもなりません。その一瞬の閃き(ひらめき)を行動に伴わせる力を知恵というのだと思います。本なんて見たことのない人であったとても、サッと手を差し伸べられる人を「すごい人」つまり、「知恵者」というのです。

逆にあーだこーだと理屈ばかり言っていて何にもできない人を「愚か者」というのです。頭でっかちにならないで身の丈にあった生き方ができる人になりたいですね。

ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアは世界三大スラムの一つ、マニラ近郊のスラムで無料の歯科治療ボランティアをしています。この瞬間を生きるのに精一杯の人達へのボランティアを通じて、自らの力の限界を知り、豊かな国に住む隣人にこの活動で必要な歯ブラシ、タオル、石鹸の提供をお願いし、現地活動に協力してもらえる人たちを掘り起こす中で、みんなが力を合わせることの大切さや継続していくことの大切さを味わってほしいです。うまくいかない事でもお互いに励まし合って一つ一つクリアーしていくことの喜びを感じてください。自分自身が社会の中でなくてはならない人に成長していくことの喜びを感じられるのではないかと思います。

私は50歳の時に学生時代の関口団長と触れ合って80歳になるまでに様々なことを学べました。ですがこれから30年、40年先の活動を私は経験できないかもしれません。だからこそ、この一回一回を完璧にやり遂げられるような生き方をしたいと思いますし、それを伝えていきたいと思っています。

 

2024614

 

医学博士・歯科医師  林 春二