2024.09.06 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

いやいや、再び連日寝不足の日々です。

フランス・パリでは今、パラリンピックの真っ最中です。先日も男子車椅子ラグビー悲願の金メダル、いやその他の種目でも日本人選手の活躍はめざましく現在までに

28個のメダルを獲得しています。

勿論、メダルだけではなく、たとえ夢に描いていた結果でなくとも、敗者でしか伝えることができないスポーツの存在意義とそれに向か努力や勇気に私たちは多くの感動をもらいます。しかし、私は今回少し反省をしました。私はいままでパラリンピックで選手たちの活躍を見るたび、心のどこかで障害を持ちながらもここまでやれる凄さだけに注目し、たとえ負けたとしても「障害」という理由を勝手に結び付け、努力だけでも尊敬に値すると思っていました。しかし、今回パラリンピックの開会式で国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長はあいさつの中でこう言いました。

「パラアスリートは参加するためやスポーツを楽しむために来たのではない。競い合い、勝利するためにここにやってきた。」そしてその戦いと勝利するのは競技や対相手だけではなく、社会の偏見を掲げ、「パラアスリートは認められ、たたえられ、報われ、何より敬意を払われるべき存在である」と述べました。

私はその言葉を聞き、私の中にどことなしか、障害があるのだから仕方がない、という正に「偏見」をとても反省しました。そして「勝利するためにやってきた」この言葉を聞き、私は更にパラリンピックが好きになり、連日テレビの前で応援しています。

しかし、祐介先生。何ともやりきれないというか、やっぱりな、というか。

圧倒的にオリンピックとの放送時間の差に怒りどころか情けなさを感じます。視聴率、CM収入、放映権料、現実の仕組みは理解します。しかし、本当にこれでいいのでしょうか。全ての募金が果たして健全に使われているかどうかわからず、チャリティー番組と言ってもしっかりギャラが支払われ、挙句の果てに雨の中、まるで何かの罰ゲームのようにグルグルマラソンしている映像を放送するならば、せめて同じ時に、同じ日本人が遠いパリで人生のすべてを懸けて戦っている姿を少しでも放送しても何らバチは当たりません。私たち視聴者も同じ障害者を主とする映像を見てもその主旨の純粋性がまるで違うため、感動のレベルが全く違うでしょう。勿論、そこに本気で取り組み、そのお陰で多くの方に支援が行くことも事実ですが、私は単純にもっと、

いや、オリンピック以上にパラリンピックを見てみたいと思っています。

「偏見」こそ最大の敵。その言葉こそがパラリンピックが全世界に放つ最大のメッセージです。今夜は車椅子テニス!そして柔道、水泳、陸上と目白押しです。今夜もみんなで応援しましょう。

 

202496日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人