2025.05.30 林会長のお便り

祐介先生、牟田さん、そしてリスナーの皆様こんばんは。

 

 今日はあいにくの雨で大変でしたね。私は軽井沢病院に入院している高齢者の訪問診療に行ってきました。私のお伴はいつもお世話になっている武井さんですから安心していってきました。

 この高齢者は軽井沢駅前の一等地に住んでいる時から訪問診療をしていましたが「くれぐれも転倒はしないように」お願いしていました。ところが一番慣れているはずの家の中で転倒してしまい、軽井沢病院で入院治療中に入れ歯が割れて、新しい入れ歯が必要になってしまいました。経済的に裕福な方ですから自費の治療を希望してくれて、今日セットに行ってきました。とてもうまくいきました。

 デンマークでは株を持っているとか、財産がある人はたとえ同じ施設でも10倍以上の支払いになる人がいます。費用は施設の大きさやついている介護の質や量も金額によって決まるのではなく、その人が必要とする介護や看護をしっかりとつけてくれます。入所者が年金だけならばその年金で支払える額が設定されていて、経済的に豊かならばそれに見合って高額になります。それでも不公平だなんて言わないで「私は親のおかげで自分でお金を払えるようになって幸せだ」と笑顔で話してくれます。

日本ではこんな時、介護認定を受けると他人と比較して「どうして俺は軽い認定なんだ」と不満を言う人がいます。本当なら認定されないということは元気でよかったということなのに貰えるものは捨てる分でも沢山欲しくなる欲張りな日本人気質の一面があります。これは今に始まったことではなく以前からありました。

 デンマークの素晴らしいのは誰だって良くなりたいという気持ちはありますが、他者を優先する優しい気遣いがあるということです。かつての日本人だってこれに負けない「親切は人の為ならず、明日は我が身」という思いやりの気持ちがみんなにありました。その時代は今のような贅沢はできなくても、みんなに今日より明日は良くしようと前へ進む気持ちが溢れていたからではないでしょうか。

 ところが現在の政権は昨年11日に発生した能登地震の復興に見向きもしないで、国民が主食のお米に困ってものらりくらりと解決しない姿勢に辟易しています。政治家が他人を思いやる気持ちが無くなり「今だけ、金だけ、自分だけ」という身勝手な人が増えてしまったように思います。こんな時こそ、世界に通じる、親切で優しい、かつての日本人の姿を思い起こすことが大切なのではないかと思いますがどうでしょうか。大人や責任ある立場の人に率先してやってほしいです。

 ところで祐介先生、康っちゃんに「お父さんの日」の件について聞いてみましたか?そのやり取りを聞かせてもらうのがとても楽しみです。来週は「歯と口の健康週間」でハロアルレディオにお邪魔します。よろしくお願いします。

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医学博士・歯科医師 林 春二