祐介先生、牟田さんこんばんは
祐介先生!今週は私の地元、いや、私の住んでいる街、那須塩原市に大変なことが起こりました。
6月30日の朝、70代の男性がクマに襲われ首や頭を噛まれ35針も縫う大けがをしました。命の別状はありませんでしたが、その場所はなんと私の医院から歩いて5分程度の所、しかも患者さんの家です。私の通勤路でもありあなたも何度もそこを車で通っている所です。祐介先生、あなたならお分かりでしょうが、私の地元は確かに田舎です。田んぼあれば畑もある。林もあれば森もある。しかし、野犬はいてもまさかクマが出るほどの田舎ではないはずです。正直、全国で多発するクマの被害状況を見ていてもどこか他人事で、山の中に行かなければまぁ大丈夫だろうと高をくくっていましたが、こんな目と鼻の先、しかも知り合いが噛まれたなんて。
その日、近くの小学校、中学校は下校の際、親御さんのお迎えなどで大変な騒ぎでした。そして翌日はクマ騒動の影響で私の医院で11人もキャンセルが出るほどです。
私も日ごろは入口の門を開けっ放しの方が多いのですが、今回の騒動で必ず門を閉めることになりました。まだクマは見つかってはおらず、犬の散歩やジョギングの方は当分注意をしなければなりません。
しかし、これもすべて気候変動、温暖化が関係しているのでしょうか。気温の上昇に伴い春の訪れが早くそのぶん冬眠から早く目覚めるため本来の自然の中で食料を確保するのが難しく、クマが人里に降りてくると言われています。また、クマが生きる自然の生活圏が都市開発や無駄な太陽光発電の乱立で森林破壊が進み、また、林業や農業を営む人たちの過疎化により、森林の手入れが進まず放置された山と人間の生活圏との境界線があいまいになることも関係し、人間が自らの手で動物の生態系を破壊した結果が現在のクマ問題に繋がっていると言えますね。
また、昨日、ある80歳の患者さんがサクランボを持ってきてくれました。その方は毎年この時期必ず山形県産の佐藤錦を沢山持ってきてくれます。しかし、今回その方がこうおっしゃっていました。「先生、ごめんね。私がいつも買っている農家さんがもう83歳でご高齢で今年が最後のサクランボなの。しかも毎年猛暑で佐藤錦が作れないから今年は別の品種になってしまい、ごめんなさいね。」
祐介先生、これから本格的な夏になってきます。フランスやスペインでは40℃を超える猛暑となり熱波や山火事が相次いでいます。
ここ数年の異常なまでの暑さ・・・、不安を通り越し少し恐怖を感じるのは私だけではないはずです。因みに皆さんご存知かと思いますが今日7月4日は「那須の日」です。クマに注意しこの週末是非皆さん那須に遊びに来てくださいね。
2025年7月4日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人