祐介先生、牟田さんこんばんは
8月6日、は水曜日でした。
私は朝から広島で行われた平和式典の様子をテレビで見ていました。
8月6日、そして明日8月9日は日本人にとって、いや、世界の人々にとって決して忘れてはならない日ですね。
今、世界では約1万2700個の核弾頭があると言われています。そして広島・長崎への原爆投下から今までに2,000回以上の核実験が世界で行われています。
私達日本は「唯一の被爆国」という表現をしますが、厳密には今尚、核保有国が自国の大都市から離れた先住民の暮らす土地や海洋で核実験を繰り返し行い、多くの被害をもたらしています。しかし過去の歴史の中であれほどの人的被害をもたらす人類史上最悪な殺戮テロを受けた国は日本しかありません。そんな中、式典ではこども代表の小学生2人が誓いの言葉を述べましたが本当に素晴らしく、心打たれました。
戦後80年を迎え、被爆経験者の平均年齢が86歳となる今、子供たちは全世界に向けてこう述べはじめました。「いつかはおとずれる。被爆者のいない世界。同じ過ちを繰り返さないために、多くの人が事実を知る必要があります。」「原子爆弾が投下されたあの日のことを思い浮かべたことはありますか。」その後あの恐ろしい光景を子供たちが被爆者の声となり語り掛けます。そんな中、特に印象的だったのは「一人ひとりが相手の考えに寄り添い、思いやりの心で話し合うことができれば、傷つき、悲しい思いをする人がいなくなるはずです。周りの人達のためにほんの少し行動することが、いずれ世界の平和につながるのではないでしょうか。」という文です。
二人の小学生が思いを込め、まっすぐな目で驚くことに全文、手に持った原稿を見ずに最後まで話すのです。本当に素晴らしい平和への誓いでした。しかしその反面、
この国を代表する石破総理の挨拶はひどいものでした。私だけそう思えてしまったのかもしれませんが、最初から最後まで、いや最後の式典の日時、自分の名前までずっと下を向いたまま、ただ文章を読んでいるだけ。しかもどう考えても誰かがそつなく書いた文章をそのまま読むのですから、何も伝わらず、何も心に響きません。勿論、公的な場所での言葉の間違いを恐れているのかもしれませんが、あまりにも子供たちの誓いとの差があり過ぎます。そんな挨拶ですから、「核廃絶」だとか「核のない世界」などと言う言葉があまりにも軽く聞こえ、まるで他人事です。これでは犠牲になられた方もやりきれないでしょう。私は正直今の世界の現状からこの地球上から核を無くすことは現実的に難しいと思います。しかし、それを使わせない世界を作ること、戦争を起こさない平和な世界を作ることは皆が努力をすれば必ず叶うはずです。
明日は長崎の原爆の日です。原爆によって犠牲になられた方々に心からの哀悼を捧げます。
2025年8月8日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会団長 関口敬人