祐介先生、牟田さんこんばんは
祐介先生、水曜日は大変お疲れ様でした。
私と祐介先生はなんと伊豆諸島の新島、都立新島高等学校にボランティア講演に行ってまいりました。
私は人生初の新島でしたが、一言で言うと、「何もないがそこにはある」。何かのサブタイトルのような人口約2500人の小さな村には都会では感じえない、一見不便に思えることも、生きていくうえで本当はなんてことはない事であったり、幸せや豊かさは実はとても身近なところに存在することを再確認できるそんな場所でした。
そして展望台から見える美しいエメラルドグリーンの海を見ていると、日々仕事と時間に追われ疲弊した心がゆっくりと浄化されていくようでしたね。
今回、この講演に至ったのは今年の2月にこの新島高校の教員の前村先生が私達のハロアル・フィリピン医療ボランティア現地活動に参加をしてくれたのがきっかけでした。先生はご自身が体験した世界の貧困の現実と現地で日本の高校生たちが一生懸命頑張る姿に感銘を受け、ご自身の生徒にも是非何かを感じて欲しいと願い、私達に講演を依頼されました。静かな村の高台に立つとてもきれいな高校には全校生徒36名が私達を待っていてくれました。図書室に全員が集まり祐介先生と私がそれぞれ45分ずつお話しをさせていただきました。私は今まで沢山の学校でハロアルの活動を話してきましたが、新島という環境がそうさせるのか36名の高校生たちの顔は皆、純粋そのもので、私達のスライドを食い入るように見つめる目はとても輝いており、日本では治せる歯が次々と抜かれ、スラムで生きる同世代の子供たちの貧困の様子に心を痛めていました。
講演後いただいた高校生たちの感想には「ネットで見る世界とは違う現実感に驚いた」「同じ高校生が海外でボランティアをやっている姿に自分も何かしたいと感じた」そして「当たり前が当たり前じゃないことに気づいた」と書かれていました。
帰りの飛行機に乗るため空港に着くと、暑さも和らぎ夕日がとてもきれいでした。
私は久しぶりにあなたと講演をした充実感と、このような機会を与えて下さった前村先生や新島高校の生徒のみなさん、そして私達を導いて下さったハロアル会長林先生に感謝をしました。
私は講演の最後に36名の生徒にこう言いました。「自分の幸せだけではなく、誰かの幸せを自分の幸せと感じ、自分の為だけではなく誰かの為に生きる、そんな大人になって下さい」
祐介先生、いつか新島高校の生徒がこのハロアルに参加してくれたら、いつの日か私達の言葉が少しでも彼らの未来の支えになれば嬉しいですね。
2025年9月19日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人